お見舞いのマナー

 病気のお見舞いは、普通の訪問以上に、先方の都合第一に考えなければなりません。
 一、二日でなおってしまうような軽い病気に、わざわざお見舞いに出向いては、かえって当惑されるかもしれませんし、逆に入院さわぎの病状のときは、当座はなにかと気ぜわしいものですから、肉親以外は遠慮したほうがよいでしょう。
 先方の都合に合わせて行くこと、おおぜいで行かないこと、この二つが、病気見舞いのポイントです。
 入院した場合は、検査などで一週間はかかるのが普通です。そこでお見舞いに行く時期は、検査が一応すんで、病状もだいたいわかる十日以後にするとよいでしょう。また、心配ない軽い病気と聞いても、入院しているなら、やはりお見舞いに出向きたいものです。
 いずれにしても自分かってに判断せずに、先方に都合を聞くことが先決です。
 たとえば、重症で家族が病院に付ききりのため、留守宅には幼児だけ、お年寄りだけというような場合は、申し出て先方が承認されたら、留守宅を見舞ってあげるのもよいでしょう。
 入院は、当人はもちろん、家族にとっても非常事態です。先方の心情を思いやって心をつかい、一方的な自己満足のお見舞いをしないように、くれぐれも注意してください。
 一人で行くのは気が重いからと、誘い合わせて何人もで出かけることは、注意しなければなりません。おおぜいが連れ立って行くと、気楽な感じから話がはずみ、お見舞いに行ったのか、邪魔しに行ったのか、わからないことになりがちだからです。
 また、小さい子どもを連れて行くことも考え物です。幼児は、家にいるときはおとなしい子でも、病院のような違う環境では、興奮してはしやいだり、泣いたりして、先方に迷惑をかけますし、病気に感染するおそれもあります。
 食事制限を受けているかどうかはっきりしないときは、食品は避けたほうが無難です。何を食べてもよいという場合でも、なま物やかさばるものは遠慮すべきでしょう。
 食事制限のない長期療養のお見舞いなら、食欲を進める焼きのりや漬け物類、手作りのおそうざい、保存食、菓子類なども、あなたの心が伝わるでしょう。
 色や香りの強いもの、しおれやすい水揚げの悪い花は避けます。花屋さんに相談して選ぶとよいでしょう。病室のスペースを考えて、一度にたくさんの花を持ち込まないように気をつけます。
 一、二本の花をお見舞い品に添えるのも心やさしい感じです。

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 交通事故は、突然襲いかかるだけに、本人はもちろん、家族のショツクも大きいものです。動転しているときの、他人に見られたくない心理を察して、根掘り葉掘り聞かないことがたいせつです。命の無事を不幸中の幸いと力づける程度にとどめ、後遺症の心配などにふれることは慎みます。
 親しい間柄なら、なんでもお手伝いをと申し出るのも、お見舞いの一つになるでしょう。
 被害者以上に複雑でむずかしいのが、加害者のお見舞いです。精神的にも打ちのめされている加害者に対しては、何も聞かないのがお見舞いといえるかもしれません。
 負傷している場合は、なによりも体の回復に努めるように励まし、立ち入った質問は、さし控えます。
 飛行機の事故や海山での遭難をニュースで知った場合は、ごく親しい間柄は別として、あわてて飛行場や現場に駆けつけるのは遠慮したほうがよいでしょう。
 無事を祈っているという電話を留守宅に入れ、手伝いを申し出る程度にとどめます。
 火事や爆発の被害見舞いは行ける所なら駆けつけて状況を確かめ、遠方なら電話をかけてみます。
 火事で全焼したとか、家を爆破されて避難しているという場合なら、とりあえず、すぐ食べられる、おにぎり、おすし、パン類、くだものなどを届けます。
 状況によっては、季節の衣類や寝具、食器、台所用品なども、必要に応じて届けてあげたいものです。
 品物のほか、小さい子どもやお年寄りのお世話、お使いなども、お見舞いの一つと考えて引き受けてください。出水、台風、地震のお見舞いは不可抗力の災害の場合は、ニュースに注意し、電話もかけてみて状況をつかみます。連絡がとれたら、「私でできることでしたら、なんでもいたします」と申し出て、頼まれたことは、誠意をもって果たします。
 状況によっては、食べ物や衣類、日常必需品などを届けると喜ばれるでしょう。ただ、あなたの親切も、ときには先方にとってありがた迷惑になる場合もあります。先方の気持ちに添うお見舞いを念頭に、自分かってに事を運ばないように、くれぐれも注意してください。
 ピアノ、バイオリン、バレエ、また、琴、日本舞踊などの発表会やおさらい会に招待されたときには、ステージや出入り口に飾る花かご、ステージで贈呈する花束などではなやかに祝福したり、楽屋をたずねてお祝いを述べ、楽屋見舞いを贈ったりするのが慣例となっています。
 楽屋で手軽に食べられる和洋菓子、飲み物、くだもの、おすしなどのほか、楽屋をいろどる小ぶりの花束なども喜ばれるでしょう。キャンディーで作った花束なども、楽しいアイディアです。
 楽屋見舞いをするときに気をつけたいことは、回りの人とのつりあいを考えること、出演者を独占しないことです。わがもの顔にふるまって回りに諌惑をかけては、出演する人も困るでしょうし、出演する人は、あなた以外の見舞い客に対しても、応接しなければならない立場です。たとえ、親しい友だちであっても、ついうきうきして親しさの押し売りをしないように注意してください。
 スポーツなどの合宿に、遠方から来た友だちをたずねるのは楽しい気分です。しかし、きびしい規律のもとに行なわれる合宿では、面会その他の制限を設けている場合もありますから、あらかじめ確かめてから出かけましょう。突然たずねて迷惑になっては先方にも気の毒ですし、あなたもつまらない思いをするだけです。
 合宿見舞いに行くときは、みんなで食べるものや、千羽鶴など、勝利を祈る縁起物を届けます。
 事情で合宿の場所へ行けないときでも、励ましの手紙や、好物などを郵送するなり、激励電報を打つなりして、力づけてあげたいものです。

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