電話のマナー

 「○○さん、いますか」「幸子さん電話、だれだか知らないけど」
 こんなやりとりは、たいへんへたな電話の例です。かけるほうも、自分の名もいわずに、いきなり話したい相手がいるかどうか聞いているし、受けた人は受けた人で、応答もせずに、先方の名前を確かめないまま、○○さんに取り次いでいます。
 電話は、相手が見えないために、つい雑な応対をしがちですが、実は顔を合わせているとき以上に気を配って、ていねいに話さなければなりません。顔を見ながらの会話なら、表情や態度に助けられてスムーズにゆきますが、電話は、話だけの勝負だからです。

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 他家を訪問するときに、先方の都合を考えるのと同様に、電話も相手の時間帯を考えてかけることがたいせつです。相手が問く状態でないときに、いくら一生懸命話しても、一方通行になりかねません。
 普通、早朝や夜十時過ぎの電話は遠慮すべきですが、やむをえずかけるときは、まず、「こんな時間にお呼び立てしまして失礼でございますが」などとあいさつすること、また、話が長くなるときには「いま、よろしいでしょうか」と、先方の許しを得るのが当然のマナーです。
 自分ではそれと気づかずに発音不明瞭の人は、割合に多いものです。電話で話すときには、できるだけ口を大きくあけて、はっきりと発音すること、普通の会話よりもゆっくりと話すこと、「はっきり、ゆっくり」を実行しましょう。
 電話を受けるときにメモをとることはだれでもしていますが、かけるときには、メモをとるどころか、あわててダイヤルを回し、先方がでてから「えっと」「あのぅ」とことばをさがすことも珍しくはないようです。また、話が横道にそれたり、肝心なことを忘れてかけ直したりするのも、ありがちなことです。
 こういうことを防ぐには、メモをとるに限ります。メモをとるということは、話す事柄を頭の中で整理することです。話す事柄がはっきり整理されていれば、話がゴタゴタして行き違うこともなくなります。所要時間も、メモなしのとき五分かかる話が、三分ですむようになるでしょう。メモをとってからダイヤルを回す習慣を、あなたも早く身につけてください。
 音が同じで意味の違うことば、音が似通っていることば、数字など、まぎらわしいことばは、耳で聞いてすぐわかることばにいいかえることです。
 たとえば、化学と科学、病院と美容院など、音だけではまぎらわしいことばは、字の説明が必要です。また、一時と七時など、数字は特に「一二三の一です」「夕方の七時です」というように、いいかえて伝えるくふうして下さい。
 いくつもの用件を伝えるときは、まず「お伝えしたいことが三つあります」と告げてから、一番目は・・・二番目は・・・三番目は」というように一つずつ区切って話すのが正確に伝えるコツです。
 「それから・・・それから・・・」と話をつないでゆく伝え方は、話がダラダラしてしまって、自分は三つ伝えたつもりだったのに、先方には二つしか伝わっていなかったということになりやすいのです。
 鳴った電話をとり上げたとき、あなたはまっ先に何というでしょう。次のうのどちらですか。
 「モシモシ」または「ハイハイ」あるいは「ハイ、○○でございます」または「○○でございます」
 多いのは前述ですが、後述のように名のって出たほうが能率的で、スマートです。「モシモシ」は、話の途中で混線したり、とぎれたりしたときの、呼びかけだけに使いましょう。
 先方の様子が見えない電話は、少し持たされても長く感じ、気分がイライラするものです。そこで、電話が鳴ってすぐ出られなかったときや、途中で持たせたときは、それがほんの三十秒ほどでも「たいへんお待たせしました」とまっ先におわびを述べることです。
 これを怠ると、「さんざん待たせて、なんのあいさつもしない、失礼な人」と、悪い印象を与えてしまいます。場合によっては、「なにをグズグズしてるんです」と、相手をおこらせないとも限りません。
 相手の話を聞いている最中に、クスクス笑いをする人があるものです。これは、本人はなにげなくしているのですが、話し手は、自分の発音がおかしかったのかと思ったり、何か変なことをいって軽蔑されたのかと気を回してしまいます。とにかく相手にとっては不愉快なものですから注意しましょう。
 電話を取り次ぐときは、機械的に取り次がないように気を配る必要があります。というのは、相手によって、いますぐは都合が悪いということもありますし、応対のしかたをよく考えてから出なければならないこともあるからです。
 必ず先方の名を確かめ、「○○さんからお電話です」とことばを添えて受話器を渡しましょう。こうすれば、出る人も心の準備ができるものです。

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