訪問のマナー

 個人的なお願いや、お世話になったお礼を述べるというように、改まった目的で目上のお宅に伺うとき、一人では気づまりだからとか、自信がないからということで、友だちと二人づれで訪ねる人があります。先方にことわりなく、いきなり未知の人を連れて行くこと自体が失礼ですが、それよりも、先方の神経が二分されてしまって、あなたが損をしますから、関係のない友だちを急に連れて行くのは、やめましょう。
 そこで一人で訪問するとして、気をつけたいことをあげますと、身じたくをととのえること、予約すること、長居をしないこと、この三つです。それぞれのポイントを次に述べましょう。

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 洋装ならワンピースかツーピースがふさわしく、はじめての訪問で、和室に通されるか洋室に通されるかわからない場合は、すわったときにひざが隠れるようにフレヤーやプリーツのドレスを選ぶとよいでしょう。
 目上でも、しじゅう行き来している親しいお宅は別ですが、慣れないうちは、ジーンズは遠慮し、先方に合わせて無難な服を着て行くくらいの心づかいはしたいものです。清潔感を第一に、えりあかの目立つ服や、よごれてフケの浮いた髪などを避けるのは、いうまでもありません。
 お化粧も、常識的な程度にとどめること。個性的なメーキャップは、若い人同士には通用しても、価値観の違う年輩の人は、好意的には見ないものです。香水も、強烈なものは避けたほうが無難でしょう。
 うっかりしやすいのが足元です。すぐ上がれるように脱ぎやすいくつを選びます。あみ上げのロングブーツなどはいて行くと、脱ぐにもはくにも手間どって、お互いにまが持てないものです。
 それと、ジーンズを愛用する若い人は、素足で出歩くことが多いようですが、訪問の際は、やはりストッキングをはくべきです。
 雨の日に素足にサンダルばきでたずねて来て、足のよごれを気にしてもじもじしていた若い人があります。上がる前に、足をふくものを出してもらうなど、先方に気をつかわせるのは失礼ですし、あなた自身も出ばなをくじかれた感じで、しばらくおちつけないというデメリットにもなります。
 余分の大荷物を目上のお宅に持ち込むことも、遠慮すべきです。改まった訪問の際は、特に注意してください。
 目上のお宅を訪問するとき、約束なしで突然伺うのはマナーに反します。
 電話口に呼び出しては失礼だからと気をつかって、予約しないでたずねたところ、先方が留守でむだ足をしたという例がありました。これでは、訪問された側も、あとから聞いて気が重いものです。現代では、電話で先方の都合よい日時を問い合わせ、予約することは失礼どころか、当然のマナーです。
 普通は、食事どきとか、早朝や夜おそくの訪問は避けるのが常識ですが、先方が指定されたら、遠慮せずに従えばよいでしょう。
 やむをえない事情で突然たずねるときは、もよりの駅からでも電話し「突然で申しわけございませんが、これからお邪魔してもよろしいでしょうか」などと、ていねいにあいさつします。
 承諾を得たら、自分の勝手な行動に対して余分な心配をかけないように「お玄関先で失礼いたしますので」などといい添えます。
 目上の人は、忙しい人が多いものです。次々と予定がつまっている場合も少なくないのですから、長く時間をとらないように、あらかじめ心づもりをして出かけましょう。
 約束の時刻に到着するように、時間の余裕を見て出かけることはもちろんですが、もし交通事情などで遅れてしまった場合は途中で電話を入れ、おわびのことばを述べて、これから伺ってもよいかどうか丁重に尋ね、先方の都合に合わせます。
 用談は、話の段どりを考えてから出かけること。ぶっつけ本番では、話があちこちに飛びがちで、それだけ時間がかかるものです。
 先方がよほど退屈しているとか、寂しい状態であなたにいてもらいたいというような事情なら別ですが、普通は、目上のお宅を訪問する場合は、一時間くらいで切り上げるようにあらかじめ心づもりしておくとよいでしょう。
 目上には、店で買ったものを持って行くよりも、郷里の名産のような、あなたにつながるものがふさわしいのですが、なければ、花の手みやげも楽しいでしょう。
 先方の好物がわかっていて、それがあなたのお小づかいで楽に買える程度の値段なら、買いもとめて持参するのもよいでしょう。
 つまり、手みやげは、先方に負担を感じさせないもの、受けて心楽しいものをということです。目上への手みやげは、特に、おおげさでないものを控えめに、つつましく、と心がけてください。

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