慶事の祝い方

 一月一五日は成人の日。この日までの一年間に満二十才に達した人を祝う日です。成人といったって、昨日と今日とどこも違ってないと思う人もあるでしょうが、二十才となれば、法的にも独立した人格として認められ、未成年とは扱いがはっきり違ってくるのです。
 それはともかくとして、だれでも成人の日というと連想するもの。それは若い女性の振りそで姿ではないでしょうか。
 はなやかな振りそで姿が勢ぞろいする成人式。二十才になった娘に無理をしてでも振りそでを着せて送り出したい親心はわからないでもありませんが、日ごろ物おじせずに自分を主張する若い女性が、この日ばかりは親の言いなりになって、着慣れないきものに身を包み、連れ立って歩く姿は、没個性というほかないのではないでしょうか。
 この現象は、ふだん着のカジュアル化につれて、日本人のフォーマルウェアは、民族衣装である和服でという心理が、無意識のうちに働いていることもあるでしょう。いずれにしても、振りそでを作ることだけを女子の成人のお祝いと考えるのはどうでしょうか。
 欧米では、十六才の誕生日に、本物の宝石を娘に贈り、社交界へのデビューに備えたとか。それはまた、国境を接した土地に住む人たちが、他国の侵略の際、財産を身につけて移動するという生活の知恵の一つであったとも聞きます。こうした外国のことも参考にして、あなたの成人の日を、あなたらしく祝う祝い方を考えてみましょう。

スポンサーリンク

 成人の日を迎えるまでの二十年間、特に前半には、子どもの成長を祈る祝い事がいろいろあります。祝い方は、地方によって、また家庭によって違いますが、親心に変わりはないようです。その日のことを両親に尋ね、きょうのあなたがあることについて考えてみてはどうでしょう。
 お七夜は生まれて七日目のお祝いで、この日に命名式をします。赤ちゃんの名前を奉書紙か半紙の中央に大きく書き、左に生年月日を書き添えます。これを、あれば神棚に上げてから床の間に飾るのですが、床の間がない場合は、赤ちゃんの枕元の見やすい所にはり出します。
 赤ちゃんの祖父母や親類、また、昔は助産婦さんや仲人も招いて赤飯に尾頭つきの祝い膳を囲んだものです。
 お宮参りは、普通、男児は三十一日目、女児は三十二日目に、氏神にお参りし、健康と幸福を祈るしきたりです。
 赤ちゃんは祖母に抱かれ、母親に付き添われて参拝することになっていますが、近ごろは両親が連れていくことも多くなりました。
 お食いぞめは、子どもが一生食べることに不自由しないようにという願いをこめて、生後百日目に行ないます。赤ちゃんの前に、赤飯、尾頭つきの祝い膳をおき、赤ちゃんの口元に箸で食べ物を近づけて、食べさせるまね事をする行事です。
 女児は三月三日、男児は五月五日の節句を生まれてはじめて迎えるときは、祖父母や親類から、お祝いとして、ひな人形や武具飾りが贈られ、当日は、この祝ってくれたメンバーを招いてもてなします。
 三月の桃の節句には、白酒、ちらしずし、はまぐりの吸い物など、五月の端午の節句には、たけのこごはん、ちまき、かしかもちなどを出します。
 生まれて一年たち、はじめて迎える誕生日には、昔は、赤飯とともに出世魚といわれる、ぼら、すずき、ぶりなどを祝い膳につけるのがならわしでした。
 現在では、バースデーケーキのまん中にロウソクを一本立てて祝うという家庭が多いようです。
 女児は三才と七才、男児は五才の十一月十五日に、氏神にお参りして子どもの幸福を祈り、祖父母やお祝いをくださったお宅などに、千歳あめや赤飯を配ります。
 普通はかぞえ年で祝いますが、近ごろは満年齢で祝うこともありますし、七五三以外の年齢に祝う地方もあります。
 入園は、子どもが社会生活を始める日であり、入学は、親の手から離れ、ひとり立ちする門出の日です。記念写真も残っているでしょうし、あなた自身の中に、記憶が残されているでしょう。幼い日の思い出を、成人の日の感慨に重ねてみてください。
 おとなのお祝いとしては、就職と結婚が、いちばん大きな祝い事です。ここでは、就職についてとり上げましょう。
 就職ということは、職業人になると同時に社会の一員になるわけですから、仕事はもちろん、日々の言動についても責任が生じ、いいかげんなことは許されなくなります。
 就職の際、親しい人たちが祝ってくれるでしょうが、そういうお祝いに対しても、一人前の社会人として、きちんと礼を尽くしたいと思います。学生なら、電話でお礼を述べれば十分ですが、社会人なら自分で礼状を書くべきです。近ごろは手紙を書かずに電話ですます人が多くなりましたが、やたらに年上のかたを電話口に呼び出すことは遠慮しなければなりません。また、社会に出れば、手紙を書くということも、何かにつけて必要となります。
 そこで、就職を祝ってくれた親しい人なら、字もへたでよいし、文章を飾る必要もないのですから、自分で礼状を書いて、これを機会に手紙を書くことを習慣づけてほしいと思います。
 いま二十才のあなたは、四十年たつと還暦(かぞえ六十一才)を迎え、五十年後には古稀(七十才)、五十七年後には喜寿(七十七才)、六十八年後には米寿(八十八才)といわれて、回りから長寿を祝福されるはず。全く気の還くなるような年月です。その、気の還くなるような年月を生き技いてこられたのが、現在の六十代、七十代、八十代の世代です。しかも、この何十年間は、敗戦によって価値感が転倒した動乱の時代でした。それを思えば、身近のお年寄りをたいせつにしないわけにはいかないと思うのです。
 かといって、急に何かするのもてれくさい感じでしょう。敬老の日というのも年に一度ありますが、賀寿、つまり長寿のお祝いは、お年寄りに敬意を表する、絶好のチャンスです。一般に長寿のお祝いというと、品物を贈ることだけを考えて、品物選びに頭をつかうようですが、若いあなたなら、品物だけを贈らないで、あなたの若さをいっしょにプレゼントしてはいかがでしょうか。お年寄りは、若い人との交流を、きっと喜んでくださるはずです。

冠婚葬祭
慶事の祝い方/ パーティーに招かれたら/ パーティーでは/ 訪問のマナー/ 訪問での戸口から退出まで/ 一間でお客を迎えるとき/ 敬語のマナー/ 電話のマナー/ お見舞いのマナー/ お金のマナー/ 贈り物の贈り方、受け方、お返し/ 贈り物の包み方/ 相手に合わせて贈り物を贈る/ 花の贈り物/ 恋愛から婚約まで/ 見合いから婚約まで/ 見合い当日の心得/ いろいろな婚約の仕方/ 結納をかわすなら/ 結婚生活への心身の準備/ 結婚式と披露宴のきめ方/ 結婚披露宴招待客のきめ方/ 式服とハネムーンウェア/ 引き出物とみやげ物/ 新婚生活の準備/ 新生活での家具/ 新生活のワードローブ/ 結婚祝いの受け方/ いろいろな結婚式の仕方/ いろいろな披露宴/ 会員制祝賀パーティー/ 新婚旅行から新生活/ 新婚旅行から帰ったら/ 結婚後の新生活の人間関係/ 結婚祝いの贈り方/ 披露宴に招かれたら/ テーブルスピーチ/ 不幸を知って弔問するとき/ お通夜では/ 告別式に参列するとき/

        copyrght(c).冠婚葬祭専科.all rights reserved

スポンサーリンク