お茶会に招かれたときのマナー

 お茶会に招かれたら、まず出欠の返事を確実に早く出します。これは前礼といって、大切な作法のひとつとされています。
 当日は、必ず招かれた時間に遅れないようにします。遅れれば、たったひとりのために他のお客様が待だされることになり、逆に早く着きすぎても主人側の準備の都合をくるわせてしまいます。指定の時間の十分から十五分ぐらい前には着くように心掛けます。都合でどうしても遅れるような場合には、電話で連絡することが必要です。また、大寄せの茶会のように、大勢が集まって何時から何時までと茶会の時間の幅が広いときでも、早すぎたり、終了まぎわに行ったりすると先方にたいへん迷惑がかかりますので注意しましょう。
 服装は、茶会の性質によって異なりますが、和服の場合は、一応、正式の茶事には紋つきがよいとされています。男性なら、無地の着物に十徳、紋つきに袴、白足袋。女性なら、無地一つ紋やあまり華美でない訪問着あるいは小紋などがふさわしいでしょう。
 大寄せの茶会や立礼、野点などではことさら改まった和服でなくても失礼にはなりません。洋服の場合は、スポーティーなものはさけ、男性は背広にネクタイ、女性は品のよいワンピースかスーツに長めのスカートがよいでしょう。
 化粧は、男性なら、きちんと整髪し、ひげを剃ります。香りの強いポマードなどの化粧品はつけないようにします。女性も、香りの強い香水などはさけ、口紅もうすくし、薄化粧にしたいものです。
 なお、茶わんのやりとり、道具の拝見など茶会では手が非常に目につきますので、指先や爪はとくに清潔にしておきます。
 茶会に出席するときに持参すべきものは、懐紙、帛紗、扇子、出し帛紗、黒文字、替え足袋、手水に使うハンカチなどですが、懐石料理の出される正式の茶事には残菜入れも用意します。
 なお、時計、指輪などのアクセサリーは、茶席に入る前に、寄付ですべてはずして、その他の持ち物といっしょにふろしきなどでひとまとめにしておきます。
 茶会から帰宅したら、翌日ぐらいに先方へ電話か手紙でお礼をします。これは後礼といって、前礼と同様、茶の湯の大切な作法とされています。

スポンサーリンク

 懐石料理を伴うような本格的な茶会(茶事といいます)では、一碗を故人で飲み回す濃茶が出されますが、大寄せの茶会や野点など一般の方が参加する機会の多い略式の茶会では、一端を一人が飲む薄茶が出されるのが普通です。
 そこで、ここでは薄茶のいただき方について説明します。
 客が席につくと、お茶の前にお菓子が出されます。お菓子には生菓子(生菓子)と干菓子があります。
 お点前が始まって、薄茶ではだいたい茶箇通しのころに、正客は菓子器よりお菓子をとります。
まず主菓子器を両手でとって、畳のへりの外、次客との間にさし出して、次礼し(次客へ「お先に」と挨拶する)、菓子器を膝前、畳のへりの外におき、亭主に「お菓子をいただきます」と挨拶します。
 挨拶をしてから懐紙をとり出して、膝前、ヘリの内へおき(わが手前)、黒文字を懐紙の上におきます。
 菓子器の蓋を両手でとり、蓋の内外もよく拝見してから蓋を次客へ渡します。蓋だけ次客が拝見、そして三客へと次々とお詰め(末席の客)まで回し、お詰は蓋をへりの外、下座寄りにおきます。
 正客は黒文字でお菓子を懐紙にとり、黒文字を菓子器(蓋は次客へ回っているので菓子器の身のほう)の上におき、次客のほうへさし出します。
 このお菓子のとり方は、隅のほうからとり、残りのお菓子の姿のよいようにしておきます。
 次客は、三客へ次礼して、菓子器を膝前、へりの外へおき、正客同様、亭主に挨拶をしてから、懐紙にお菓子をとり出します。
 三客以下、同様にお菓子をとって回し、お詰は、お菓子をとり出して、菓子器が空になっていたら黒文字を菓子器の中へ入れ、蓋そして、へりの外、下座(左)に菓子器をおいておきます。まだ、お菓子が残っていたら蓋をして、蓋の上へ黒文字をそろえておき、下座へおきます。
 正客は主菓子をとって回しますと、干菓子器を畳のへり外、正面にとり、「干菓子もいただきます」と亭主へ挨拶して、生菓子をとってある紙の上へ、干菓子を手でとり、干菓子器を次客のほうへ送ります。
 次客以下、同じように、亭主へ挨拶して干菓子をとって送り、お詰は干菓子をとりますと、畳のへりの外、主菓子器の下座寄りの向こう寄りにおきます。
 お菓子は、茶箇通しが始まる頃に食べ、お茶がたてて出されるまでに、食べ終わるようにします。
 主菓子と干菓子と両方とりましたら、主菓子から先にいただきます。干菓子は懐紙の上へ残し、膝脇へおきます。
 干菓子は、二服目のお茶のときいただきますが、食べないときは、懐紙に包んで片づけます。
 お菓子のいただき方は、懐紙を膝の上に持ち、両手で食べよい大きさに割って、右手でいただきます。もし割りにくいお菓子でしたら、懐紙で口元を隠して、そのまま割らずにいただきます。懐紙ばさみに菓子切りを用意してあれば、手で割らなくとも、また割りにくいものも、切っていただけて便利です。もし、食べきれず残してしまった時や、いただきたくないときは、懐紙に包んで、たもとなり、バッグに入れます。
 亭主がたてたお茶は、畳のへりの外、客の前におかれます。まず茶碗を右手でとり、次客との間、へりの内側にいったんおき、「お先に」と挨拶をします。次客も正客にこたえて、軽く会釈を返します。次に茶碗を膝前(畳のへり内)にとり、「お茶をちょうだいいたします」と今度は亭主に挨拶し、茶碗を右手でとり上げて、左手で受け、茶碗を軽くおしいただき、茶碗の右横が手前になるように、茶碗を右に二度回します。これを正面をきるといって、茶碗は客に対し、正面で出されますので、客は、茶碗を右に二度回し、正面を避けて、お茶をいただくわけです。
 茶碗の正面をきったら、両手でしっかりと茶碗を持って、ゆっくりとよく味わう気持ちで飲みます。俗に三日半で飲むといわれていますが、特にきまりはありません。ただし、最後は、お茶が茶碗に残らぬように飲みきります。
 飲み終わりましたら、右手の指先で飲み口を一度、左から右へとふいて、その指先を懐紙でぬぐいます(茶碗は左手で持ったままです)。次に、先ほど、茶碗の正面を避けるため右手でまわした動作の逆で、右手で茶碗を左回しに、二度回し、再び茶碗の正面が、亭主がおいたときと同じように手前側にくるようにおきかえます。
 お茶を飲み終わり、左に二度回して正面を手前にしたら茶碗を膝前(へり外)において、拝見をします。
 まず、両手を畳について、茶碗の全体の姿を見て、次に両手で茶碗をとり上げ、茶碗の外側を回して、ひととおり見、内側や高台などをよく拝見して、再び膝前におき、また両手をつき、もう一度全体の姿を拝見してから、亭主へ茶碗を返します。
 この拝見のときは、大事な器に、万一粗相があってはいけませんので、茶碗は高く持ち上げず、両碗のひじを膝の上にのせ、手先を安定させ、畳近くで拝見いたします。
 拝見が済みましたら、茶碗を亭主に返しますが、今度は、茶碗の正面が亭主に向くよう二度回して(外回りに)、亭主が茶碗をさし出した場所へ返します。
 以上のことを心得ておかれれば、どこで薄茶を出されても、自信をもってお茶がいただけることと思います。
 なお、正座をしていて、足がしびれて立つ時に立てそうもないときは、畳に膝まづき、畳で足の指先(裏側)を、ぐっと押さえつけてやると、随分楽になります。無理に立とうとする必要はありません。

冠婚葬祭
贈答の時期と心得/ 花の贈り方/ 現金の贈り方/ のしの種類と水引のかけ方/ 贈答品の渡し方/ お返しの仕方/ 病気見舞いの仕方/ 事故・災害見舞いの仕方/ 訪問時の心得/ 挨拶の仕方/ 訪問の際の履物やコートの扱い/ 先客があったときのマナー/ 訪問のきりあげ方と訪問後のお礼/ もてなしの心得/ 玄関での出迎え方と見送りの仕方/ 日本料理での席のつき方/ 日本料理のいただき方/ 西洋料理のマナー/ 西洋料理のいただき方/ 中華料理の種類/ 中華料理のいただき方/ お茶会に招かれたときのマナー/

        copyrght(c).冠婚葬祭専科.all rights reserved

スポンサーリンク