日本料理のいただき方

 ふつう宴席では、酒の肴となる前菜と一緒に酒が運ばれ、料理は全部並べられていません。まず、初めに、乾杯をし、献立に従って次々に料理が出ます。
 乾杯用のための酌をされたら盃を右手で持ち、左手を糸底にあてて受けます。酒がつがれたら、盃は一度膳に戻して全員に酒がつがれるまで持ち、乾杯の合図とともに盃を目の位置まで捧げてロをつけます。
 酒を飲むときは、肴を食べながら、会話をはさみ、少しずつ飲むようにします。
 酒を飲めない人も、乾杯の盃だけは受けるようにしますが、どうしても飲めないなら、椀のふたにそっとあけて静かに伏せます。
 そして、乾杯が終わって料理を食べはじめるときは、主客の人が箸をとってからにします。
 また、女性などで一足先に食事にはいるような場合は、次席の客などに「お先に」と挨拶してからいただくようにします。

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 料理を前にして、最初に手にするのが箸です。
 箸をとるときは、まず、箸の中央に近い部分を、右手で上からとり上げ、箸の下に自然な形で左手を添え、次に右手を箸にそって右方向に滑らせて下にそろえ、右手の人さし指と中指で向こうの箸をはさみ親指を添えて使います。
 また、箸と同時に椀やお通しの器を手にとるときは、まず、箸の中央に近い部分を右手で上からとり上げ、箸先を少し上げぎみにして前の方に向け、左手を添えて器をとり、左掌をしっかり安定させてから、箸を食べるときの形に持ち直すようにします。
 箸を休めるときは、箸置きがあればそれでよいのですが、箸置きのない場合は、膳のが縁の手前にかけるか、箸袋を千代結びにして箸置きの代りに使って膳をよごさないようにします。そして、食事が終ったら、箸先は湯ですすぎ、懐紙でふいて千代結びにした箸袋に差しておきます。
 箸を使う際に次のようなことは忌み箸といってマナーに反します。絶対にしないように心がけましょう。
 迷い箸、あちらこちらの料理を迷ったようにつついたりさわったりすること。
 涙箸、箸の先から汁物や刺身のしずくをたらすこと。
 移り箸、菜から菜へ移したりすること。
 さぐり箸、盛った料理や汁物をかきまわして好みのものをさぐり出したりすること。
 突き箸、箸を突きさして使うこと。
 ねぶり箸、箸に食べ物がついたとき、口でなめてとること。
 そのほか次のような使い方もやめましょう。
 箸の先で食器などを動かすこと。
 箸をにぎったまま皿を引きよせたりお椀のふたを取ること。
 箸を休めるとき、食器の上に渡して置くこと。
 吸い物などは熱いうちにいただくのがおいしく、また礼儀にかなっています。ふたをとるときは、左手を添えて右手でふたの糸底を持ってとり、ふたは裏返して、両手を添えて膳の右側に置きます。ふたがくっついてとれないときは、左手で椀のふちを強く押すか、右手でふたの糸底を回すとよいでしょう。
 椀は両手で持ち、その後左手に持ち換え中身を箸で押え汁を最初に飲み、実を食べます。
 普通は小皿のしょう油にわさびを少し溶かし、それを刺身につけて食べますが、刺身にわさびを少しつけ、これをはさむように二つ折りにしてからしょう油をつけていただくと、互いの風味が生きておいしく見た目にも品がよいものです。しよう油がたれそうなときは、小皿か懐紙または椀のふたなどで受けて食べます。つまも同じようにして残さずいただきましょう。
 焼き物は、尾頭つきと切り身の場合があります。切り身は端から箸で、一口大に切って食べればよいのですが、尾頭つきの場合は、向かって左側に頭部を、腹部を手前に向けて置かれているのが正式ですから、背のほうから箸をつけ、まず上身を食べたら、骨をはずしてそのまま下身を食べます。
 一尾づけの焼き魚、煮魚、そのほか、えびやかになどは食べにくいので手を使ってもかまいません。その際、懐紙かおしぼりで手をふいてからいただくようにします。
 煮物は、箸で一口大に切って、汁がある場合は左手で器を持ち、汁も一緒にいただいてください。また、季節の木の芽などが添えられている場合は、残さないようにします。
 ご飯は、止め椀(みそ汁)と香の物と一緒に出てきます。まず、みそ汁を一口いただいてからご飯を一ロいただき、そのあと香の物といった具合に、ご飯とお菜、お汁は一ロずつ交互に食べるようにします。その際、前にも述べましたが、箸を菜から菜へ移す、移り箸はしないで、必ず間にご飯を食べるようにします。
 お代りをするときは、ご飯を一口分残して両手を添えて差し出すといわれていましたが、今日では特に残さなくてもよいでしょう。その間にお菜や汁には手をつけないで、箸を膳において待っています。
 日本料理に出される食後の果物のほとんどは、扱いにくいものは皮をむいたり、切ったりして、そのまま食べられるようにしてありますが、スプーンやナイフ、フォークが添えてある場合は、それを使って一口ずついただきます。
 ミカンの場合は、懐紙をミカンの下に敷き、ミカンをその中にくるむようにしながら懐紙とともに指先を使ってむきます。袋は皮の中に始末をし、最後に皮を伏せ懐紙にくるんでおきます。
 いずれにしても、どの果物でも、食べ終ったあとが見苦しくないようにまとめておきます。

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