訪問のきりあげ方と訪問後のお礼

 忙しい相手はもちろん、目上の方や初対面の方なら用件が済み次第、引きあげるようにしましょう。長居は禁物です。しかし、楽しそうに世間話をしている主人の話 の腰を折ってまでおいとまするのは、相手によい感じを与えません。タイミングのよい、いとまごいが大切です。たとえば、雑談に一区切りついたときや、お茶を一杯とすすめられたとき、相手が席を立ったとき、電話がかかってきたり、来客などで話が中断したときなどがよいでしょう。主人に「もっとごゆっくり」などと引き止められても、よほど親しい関係でない限り、それは社交辞令と受け取って遠慮しましょう。
 おいとまの挨拶は、訪問したときと同様、正式に行います。日本間であれば座布団をはずし、洋間なら立ち上がって、ていねいに挨拶を述べます。この時、クッションや座布団はへこんだところを軽くならして平らにしておきます。座布団を裏返しにしたり、二つ折りにしたり、隅に押しやったりする必要はありません。
 なお、大勢で訪問した時は、手際よく器などをまとめ、お盆をお借りして、台所の人口まで運ぶぐらいの配慮が必要です。しかし、台所の中まで入るのは控えましょう。

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 玄関先では、「楽しゅうございました。失礼いたします」程度の短い挨拶にとどめましょう。
 ていねいな辞去の挨拶は客間ですませましたので、玄関先では軽くお別れをいうだけにしておきます。
 コートなども、家人から「どうぞお召しください」と言われたら「失礼します」などとことわって、玄関先で着てもかまいません。また主人や家の方が着せかけてくれたら遠慮なく手を通してさしつかえありません。
 ただし、帽子やショール、マフラー、手袋などは、玄関を出てから身につけるのが礼儀です。
 靴をはくとき、式台に腰をおろしてはくのは見苦しいものですからやめましょう。つま先を靴に入れたら靴脱ぎからおりて、お尻を主人に向けないように、体の向きを変えて、靴ベラを使ってはきます。
 靴をはき終わったら、主人に「失礼します」と最後の挨拶をして、玄関の戸をあけ、表に出たらすぐに振り返って、おじぎをしながら静かに戸をしめます。門のある家でしたら、見送っている人がいなくとも、門の外からもう一度玄関を振り返りおじぎをするのが礼儀とされています。
 車で辞去するときは、家人が見送っていてくれる場合は、窓越しに家人の方を向き、車が動き出したら会釈をします。その際、マフラーやショールなどははずしておきます。
 帰ったら、その日のうちにお礼の電話をすることです。ただし、夜遅く帰宅したときは、翌朝電話をいれるようにします。
 なお、電話口に出られた方が主人ではなく家の方であっても、わざわざ主人を呼んでもらう必要はありません。「どうぞご主人さまによろしくお伝えください」と電話口に出た方にお礼を伝えてもらえばよいでしょう。
 また、お礼状を出す場合は、丁重な封書の礼状を日がたってから出すよりも、はがきでかまいませんから、その目のうちに書いて出すようにします。先方も、早速の礼状に、きっと喜ばれると思います。
 床の間はその造り方で正式、略式に分けられそれぞれに本勝手、逆勝手があります。
 床柱が角材で床柾がある床の間と、それにつづいて床脇棚のあるのが正式で、真の床、あるいは本床といいます。
 床面は畳にしますがうすべりを敷く場合と床板を張る場合があり、付書院を設けます。
 付書院は座敷の内側から縁側へ出窓風に造り、明障子、地袋をつけその上には硯、筆、巻物などが飾られます。
 地袋がなく、明障子だけで平面になっているのは平書院といいます。
 座敷に向かって右に床の間、左に床脇と違い棚のあるのを本勝手の床といい、この床の間のある座敷を本勝手の座敷といいます。
 その反対に左に床の聞かあり右に床脇や違い棚のあるのを道床といいます。
 この床の間を右にするか左につけるかは、家の光線の入る方へつけるのが原則で「勝手」とは方向や位置という意味に用いられます。

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