贈答品の渡し方

 正式な贈答の場合には、現金にしろ品物にしろ、ふくさを用います。折敷や進物盆の上に、金包みまたは品物をのせて、その上によくさをかけて差し出します。金包みは折敷を用いないでふくさに包み入れるほうが一般的ですが、最近は「台つきよくさ」といって金包みがしわにならないようにしてあるよくさもあります。
 ふくさの正式なものは定絞のあるものですが、定紋なしでも構いません。
 ふくさをかけた品物や金包みは、ふろしきで包んで持参します。最近ではふくさや折敷などを利用しなくなりましたが、ふろしきだけは贈り特に封する道中のちりよけとして使うものですから省略しないようにします。
 小さい風呂敷はふくさ代りにもなりますがこの場合、風呂敷の色は、慶事ならおめでたい柄の明るい色、弔事の場合には地味な柄の黒い色のものを選びます。

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 先方のお座敷に通されたら、まず座蒲団をいただく前に贈答の品を床の間から道い下座あるいは自分の左側におきます。ついで主人と贈答についての挨拶を交わしたあと贈り特をひざ前にまわし、風呂敷ごと正面を先方に向けて差し出します。風呂敷とふくさは返してもらうもので、普段の手みやげ程度の贈答では風呂敷は解いてから差し出すのが普通です。
 なお、先客がいた場合には、見えないところで先方に渡すのが礼儀です。廊下や玄関先などになってもかまいませんので、「お客様のようですから」といってさりげなく渡すとよいでしょう。
 贈答品の正式な受けとり方は、折敷またはお盆にのせて贈答品を差し出されたら、ふくさごとそのまま両手で押しいただいて自分の上座にひとまず置きます。それから改めて両手をついてお礼をのべ、つぎに一度品物をひざ前にひき寄せてから、折敷ごと両手で持ち上げて別室に運び、品物だけ受けとって、ふくさや折敷は元のお座敷でお返しします。
 略式に玄関などで受けとったら、両手で押しいただいて、お礼をのべてからそのまま奥に運んで品物を受けます。お盆や重箱で贈られたときは、お移りを入れてお返しするのがしきたりです。
 お盆や重箱で贈答品をいただいた場合、その内容を返す際にこころばかりのお返しの品を入れます。これを「お移り」といいます。返却しなければならない容器を使っての贈り物には必ずお移りを入れるのがしきたりです。ただし折敷にはお移りを入れません。
 お移りには、昔はマッチや半紙などを用いましたが、これはあり合わせの品でよく、お菓子や果物などでもかまいません。いずれにしてもいただいた物より高価な品をお移りとするのはいけません。
 贈り物は、初めに包装で価値判断されることもありますので、いくら高価な品物を贈っても、包装が雑であったり、礼を欠いていたのでは、その価値も半減してしまいます。
 品物の包装の仕方には、和風の包み方と洋風の包み方がありますが、まず和風の包み方から説明します。
 現在一般に見られる和風の包装の仕方は、デパートや商店の包装紙で包まれたものにかけ紙をつけるか正式には、デパートなどの店名入りの包装はとりはずして直接品物を奉書紙で包み、水引で結んで表書きをし、必要に応じて、のしをつけます。
 慶事の場合には、奉書紙を二枚重ねて用いますが、奉書紙のかわりに半紙を用いてもかまいません。しかし、弔事の場合には「重なる」ことがきらわれるため、一枚包みとします。
 洋風の正式な包み方は、リボンを飾ってグリーティングカードを添えれば十分で、包装紙を店名入りでないものとするのは和風同様です。略式でかまわない場合は、店名入りの包装紙にリボンをかけるだけの方法でもよいでしょう。
 弔事には黒か白黒、結婚には紅白のリボンとしますが、その他の場合は、贈る目的や包装紙によって適当に選べばよいでしょう。リボンをかける洋風の包み方をしたら、カードを添えます。
 なお、リボンとかけ紙は併用しませんが、小さなコサージ、ブーケなどを添えることもあります。ブーケは根元に水気を含んでいますから、包装紙の、根元があたる部分をロウで二、三度こすって防水しておくとぬれずにすみます。
 品物が大きかったり、数が多いために直接手渡すことができない品や、公的な祝い事(会社の創立記念、卒業記念等)には、目録を使います。
 目録は、奉書紙を三等分し、右側に「目録」と書き、左側に贈り生名、真ん中に品名と数量を書きます。これを上包みで包み、水引をかけ、表書きには「御祝」または「寿」と書きます。デパートなどから品物を直接送る場合には、目録だけを別に先方へ手渡すか、郵送するのがよいでしょう。

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