遺言書を見つけたときの手続き

 遺言は遺言者が死亡した後に効力を生ずるものですから、その内容を直接本人に確かめることはできません。遺言により財産を処分するなどに際しては遺言者の意思をはっきりつかむことと遺言書の偽造、変造を防ぐことが何より大切です。民法では遺言書を作るに当たって、厳格な方式を定めるとともに、その内容を実現するに当たって事前にしなければならないことを定めています。
 遺言書を預っていた人や遺言書を見つけた相続人は、その遺言書が封印されているときは、そのまま家庭裁判所へ提出して、相続人またはその代理人立会のうえで開封しなければなりません。
 また、遺言書を預っていた人や遺言書を見つけた相続人は遺言書を遅滞なく家庭裁判所へ提出して検認を受けなければなりません。この場合、裁判所は、遺言書がどんな紙に何枚、どんな筆記用具で書かれているか、遺言の文章はどのように書いてあるか、日付や署名や押印はどうなっているかなど記録して検認調書を作ります。検認手続に申立人、相続人、遺言で贈与をうける人、その他利害関係のある人が立会わなかったときには、裁判所は検認したことを通知します。
 この検認の手続は、遺言書が偽造されたり変造されたりしたときに最初はこういう遺言であったという証拠を残すためのものです。
 遺言書の保管者や発見者が、自分勝手に開封したり、検認を受けないまま遺言の内容を実現したような場合は、遺言そのものの効力には影響をきたしませんが、その者は五万円以下の過料に処せられます。
 公正証書遺言は、原本が公証人役場に保存されておりますので、偽造、変造されるおそれはありませんので、証拠を保存しなければならない理由は全くありません。したがって、公正証書遺言の場合には、開封や検認の手続は、一切必要ありません。
 遺言書が何通もある場合には、最後に作成されたものが有効です。それ以前のものは、その内容が最後の遺言と一致する範囲で有効となります。

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 故人をしのんでもらうために、故人の遺品を近親者に分けるのが「形見分け」ですが、このことを袖分け、お于汚しなどという地方もあります。
 形見分けをする時期は、仏式では三十五日か四十九日の忌明けの法要頃、神式なら五十日祭頃にするのがしきたりとなっています。
 キリスト教ではとくに形見分けという習慣はありませんが、わが国では一週間後か、一か月後の召天記念日に行う人も多いようです。
 形見分けは近親者や故人ときわめて親しい人以外は失礼にとられますから気をつけるようにします。
 形見分けは、故人の気持ちを生かすよう分けます。ですから、いくら故人がたいせつにしていたものでも、あまりいたんでいたり、安物であっては、もらったほうがかえって迷惑しますので、もらって感謝されるような、ごくよい物や手に入れにくい貴重品を形見分けとして贈るようにします。
 形見分けの意義は、いわゆる故人が「使った品物」という点にありますので、形見の品を包装したり、のしをかけたりしないで、裸のまま渡すのがしきたりとなっております。この場合には「これは故人愛用の品です。」と付言します。形見の品物と渡す相手の立場や好み等もある程度考慮に入れておくことです。とくにそれが衣類の場合は、クリーニングしておきます。
 形見分けの品を使用することによって、故人をしのぶことになれば、形見分けの目的が果たされたことになるでしょう。形見分けを受け取る人は形見分けをいただいたからといって、お礼の品をお返しに差上げることはしないのがしきたりです。

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