お礼と挨拶回り

 葬儀が終わったら、通夜から葬儀、告別式までお世話になった僧侶、神父、牧師、それに喪家のために献身的に尽くしてくださった世話役の方、また家の清掃や走り使いをしていただいた方々にはずいぶんご苦労をかけていますので、できるだけ早くお礼をすることが大切です。
 喪主は、葬儀委員長をはじめ、葬儀に未てくれた故人の恩人や社会的地位の高い人、葬儀で特別に世話になった人、近所の人、寺院や神社や教会、故人や喪主の勤務先や学校などに対しては、直接会葬のお礼にまわるのが礼儀です。
 一般会葬者には、会葬礼状をもって挨拶を済ませます。

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 僧侶、神父、牧師などへのお礼は、告別式の直後にします。これは葬礼諸儀式に対する謝礼です。金額は、家の格式などにより違います。
 お布施(または志)は仏教の教えをいただいたことへの感謝の表われとして、僧侶に差し上げるものです。惜しみながら出すようでは意味がありませんが、無理をしてまで多額のお布施を包むこともありません。その時代や状況によって異なりますが、一応常識の範囲内で差し上げればよいでしょう。
 葬儀委員長や世話人と相談して決めるか、檀家代表などの意見を聞き、金額を決定するとよいでしょう。弔事用の水引で結び切りの多少高級な不祝儀袋に「御布施」
 「お志」または「冥加」神社には「神饌料」「御礼」キリスト教には、「献金」とそれぞれ記して寺院、神社、教会を訪れて挨拶し、受けとっていただきます。
 なお、キリスト教の場合は、教会への献金とは別に、神父、牧師に対してお礼を包むこともあります。
 故人および喪主などの勤務先では、まず直属の上司に挨拶し、その後、社員一同にお礼を言います。
 相手の職業や地位、立場上忙しすぎて突然訪問されると迷惑になるような人には、とりあえずのお礼は翌日喪主が電話でのべ、お許しをえて忌明けになってから改めてお礼に出向く方がよいと思います。
 もう一つ忘れてならないことは、近隣の方々に挨拶をすることです。町内への結びつきが強い地方では勿論のこと、特別にそうでなくても、葬儀の際にはあらゆる面でお世話になっていますので、きちんとお礼をのべます。借り物がある場合はすぐ返却したいものです。
 葬儀も終わり、落ち着いたら、大切な後始末の一つとして寺院、葬儀社等その他各方面への支払があげられます。
 葬儀にかかる直接経費としては、寺院、神社などを式場に借りた場合はその席料(使用料・お礼)、そのほか雑費として電報、電話代、死亡広告や線香、ろうそく代、接待用の茶菓子代などいろいろあります。これらの支払の明細や領収書は世話人か会計係からの引き継ぎをする際、その場でしっかり確認したうえで、受け取ります。
 まず、寺院等の借料(使用料)の場合、規定があればその料金を支払えばよいのですが、小さな寺などで特に規定のない場合は、その寺院や神社などの格式や葬儀を出す家の格式、葬儀の規模などにより異ります。このような慣習に詳しい町の長老とか葬儀社の係員または葬儀を経験した方に相談のうえ早急に支払うようにします。
 葬儀後二、三日すると、葬儀社から請求書が届きます。明細書が必ず添えてありますから、それとよく照らし合わせて支払います。そのとき、葬儀全般にわたってとくに世話になったような場合は、労をねぎらう意味で、請求金額とは別に、心づけを包むこともあります。
 酒店、仕出し屋、印刷屋等への支払は、通帳などに従って、漏れのないよう、できるだけ早めに片づけるようにします。
 葬儀費用ではありませんが、つい取り込みにまぎれて忘れがちになるのが医療費の支払です。
 本来は、死亡直後に行うべきことですが、死亡診断書をもらいに行くときか、おそくとも葬儀の翌日までには済ませるようにします。医療費は白い封筒に入れて持参するのがよいでしょう。また、深夜や時間外に往診を依頼した場合には、正規の請求額のほかに心付けをするとよいでしょう。
 香典返しは都会では、ふつう仏式で三十五日(五七忌)、四十九日(七七忌)に法要を営み、忌明けの挨拶状を添えてするのがしきたりとなっております。地方や農村などでは、葬儀や告別式のときに、会葬お礼の葉書を添えて、香典返しの品を渡します。
 なお、神式では、三十日祭か、五十日祭に行われるようです。キリスト教式では忌明けの考え方はありませんので、我が国では、仏式や神式に準じて、死後一か月頃香典返しをするようですが、この時期より早くしてはいけません。
 なお、香典は、故人と生前何らかの関係にあったり、お世話になった人が故人に差し上げるもので、香典返しは、感謝の挨拶状だけでもよいという考えもあります。最近では、社会福祉事業に寄附して香典返しにかえるケースも増えてきているようです。
 香典返しは、一家の主人を亡くしたような場合はほんの気持ちだけ、妻や子どもを亡くした場合は多少多目にするのがならわしです。
 香典返しの額は、ふつう香典の三分の一から二分の一ぐらいがこれまでのしきたりですが、最近では、二、三段階ぐらい品物を用意して贈るのが多いようです。その場合、相手に喜ばれる品物を選ぶ配慮が必要です。家庭用品がふつうですが、一律に同じ品物を返すのもよいでしょう。
 香典返しには、表書きには上段に「志」とか「忌明」と、下段に喪主の姓名を書いて、黒白の水引をかけます。
 目上の人やとくにお世話になった方へはこれを持参するのがよいと思います。一般の方にはデパートからの直送で差し支えないでしょう。

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