火葬と埋葬の仕方

 死亡者がでた場合には、死後二十四時間をすぎなくては遺骸の処置はできないことになっています。これは、まれにはこの時間内に生き返る例もあり、全身の細胞が死ぬのに二十四時間かかるともいわれているからです。そして遺族は、七日以内に、亡くなった土地か死亡者の本籍地、あるいは届出人の現住所のある市区町村役場のいずれかに死亡届と死亡診断書を提出し、火葬許可証をもらいます。この火葬許可証がないと火葬も埋葬もできないことになっています。死亡届は遺族が、死亡診断書は臨終に立ち会った医師がそれぞれ書きます。
 告別式が終わり、出棺され霊柩車が火葬場に到着すると、棺は火葬場の係員の手でかまどの前に運ばれます。かまどの前の小卓の上に持ってきた位牌、写真(遺影)、香炉、燭台などを飾って、最後の焼香を行います。これを斂葬の式といいます。斂とは、おさめるという意味です。僧侶に、火葬場まで来てもらった場合はここで最後の読経をしてもらいます。僧侶に来てもらわない場合は、参列者だけで焼香を行います。読経が終って喪主以下一人づつ最後の焼香を済ませると係員が棺をかまどに納め扉をしめて点火します。このとき扉の錠は遺族に渡されるのがふつうです。
 神式の場合、火葬場では、かまどの前に棺を安置し、持ってきた銘旗(葬式のときに死者の氏名を記した旗のこと)や花を供え、斎主が格調をとなえ、一同が礼拝し、主だった者が玉串奉天をして、棺をかまどに納めます。これを火葬祭といいます。
 キリスト数式の場合、キリスト教では土葬が原則ですが、土葬を禁じられているところもあって火葬も行われています。
 火葬の場合は、教会での告別式が済み次第棺を火葬場へ移し、聖歌合唱、司祭の祈りのあと火葬にします。

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 火葬が終わると、火葬場の係員がかまどの扉を開いて、鉄板を引き出します。すでに遺体は骨と灰になっているわけです。遺族にとっては悲しみの極ともいうべき瞬間です。
 骨の拾い方は、竹の箸で骨を二人ではさんでひろい、骨壷に入れます。昔から食事の時、箸から箸へ渡すのを不吉としてきらうのはこのためです。
 骨は、足から拾いはじめ腕、腰、背、肋骨、歯、頭骨を一、二片づつ拾いあげていきます。最後にのど仏を拾うわけですが、これは故人ともっとも血のつながりの深い人が拾うことになっています。骨揚げに僧侶が立合っている場合、憎が収骨中、微声で読経されます。骨っぼは桐の箱におさめて白布で包みます。なお、分骨して本山に納める場合は、別に錦袋に納めます。
 骨箱は、喪主の胸に抱かれて我が家へ帰ります。まず玄関先で体を清めます。この場合、家で留守をしていた人に桶の水をひしゃくで汲んでもらって手を洗い、からだに塩をふりかけてもらって清めます。これを「清めの手洗い」といいます。
 家に入ると、家に残った遺族によって生花を飾った小机と焼香台が用意されていますので、遺骨、位牌、遺影を飾って焼香します。このとき、僧に読経・回向してもらいます。このあと、精進落としの席につきます。
 なお、一般的には、遠くから親戚が出向いているということもあり、この日に初七日の法要を行ってしまう場合もあるようです。
 遺骨は埋葬するまで自宅におき、線香の火を絶やさぬようにします。
 神式の場合、骨揚げは仏式の場合と同じです。火葬あるいは埋葬を済ませて家に帰ってきたら、玄関口で修祓係の神職に祓い清めてもらい、留守をしていた人から肩のあたりに塩をふりかけてもらい、また、手に水をかけてもらいます。
 そのあと新しい祭壇の中央に霊璽、遺影などを安置し、斎主が祭詞をとなえ、一同礼拝します。
 このあと、世話役や手伝いの人の慰労の意味で宴を開きます。
 神式では精進料理にする必要はありません。
 キリスト数式の場合、骨揚げは仏式と同じです。遺骨は自宅に持ち帰り、机の上や床の間などに置いて、遺影や花、故人が好んだ食物などを供えます。
 プロテスタントでは、あと飾りの特別な祭壇などを設けず、遺骨を置くのにふさわしい場所ならどこに置いてもよいといわれています。
 墓地がある場合は問題ありませんが、墓地がない場合とか、あっても遠方である場合はこの機会に、現住所に近いところに早急に墓地をさがします。最近では墓地も人手困難ですので、寺の納骨堂に遺骨を預けることにしてもよいわけです。
 墓地が決まっている場合の埋葬は、初七日、五七忌(三十五日)、七七忌(四十九日)などに、法要を済ませた後、行いますが、七七忌に行う例が多いようです。
 また、早急に墓地が決まらない場合には、初七日や七七忌などの法要のあと、寺や霊園の納骨堂に遺骨を預け、一周忌とか三回忌までに墓地を決めて、寺で法要を行ったあと、埋葬する人が多いようです。
 埋葬、納骨を初七日、七七忌、一周忌、三回忌などの機会に行う場合には、まず、自宅などで法要を営み、そのあと埋葬式を墓地で行います。墓地で僧侶の読経を受け、遺骨を墓に納めたあと、再び僧侶の読経があり、遺族、参列者が焼香をして終ります。
 神式では、火葬の後に、遺骨をそのまま墓所に移して埋葬するのが正式ですが、最近では五十日祭のころまでに埋葬することも多くなりました。神式では、五十日祭で忌明けとなり、この日から死者の霊は、先祖代々の祖霊舎に合祀されることになります。なお、神式では土葬が本来です。
 キリスト軟式の埋葬は、土葬が原則ですが、日本ではほとんどの地方で土葬が禁じられています。プロテスタントではほとんど火葬ですが、カトリックではとくに許可を得て土葬にすることもあるようです。
 カトリックの墓地葬は、聖歌の合唱で始まり、遺体は墓穴におろされ三産土をかけ、香をたき、聖水を注ぎ、下げ香炉を振り、永遠の安息をと祈り信者たちも祈ります。最後に一同で墓に聖水を注ぎ、バラの花をまいて式を終ります。
 火葬の場合は、骨壷におさめ、喪主が骨箱を胸に抱いて帰り、遺骨といっしょに遺影や花を飾ります。そして、七日目とか翌月の召天記念日、その他よい日を選んで改めて納骨、埋骨します。
 墓石ができるまでは、本の墓標を立てるのが普通です。墓標の表面には法名(戒名、法号)ご表には俗名、没年月日、年齢を僧侶が書きます。墓石は、一周忌までに立てるのがふつうですが、三回忌、七回忌などに建ててもかまいません。
 神式では、自然石をそのまま置いた墓や、土まんじゆう型の円墳を作ることもあります。
 なお、神式、キリスト軟式の墓に線香立ては不要です。また、キリスト数式の場合は、何んらかの形で十字架を表わします。

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