供物と香典の供え方

 供物とは、神仏に供える物をいいますが、葬儀にあたって霊前に供えるものには、宗教によってちがいがありますので、心得ておく必要があります。

 仏式 - 花環、生花、棺、線香、抹香、ろうそく類、和菓子、くだものなど。

 神式 - 花環、生花、榊、ろうそく、和菓子、くだもの、清酒など

 キリスト教式 - 供花(白一色)だけで、飲食物は供えません。また、供花もプロテスタントでは祭壇への供花を受けますが、カトリックでは一般の供花はいっさい置かれません。例外として幼児の葬式では供花を祭壇に飾ることがあるだけです。ですから、カトリックの場合はお花は教会にとどけずに、葬家に贈るのが常識です。

 供物のうち、花環や花かごなどは、葬場や祭壇を飾る意味もあるのですから、できれば通夜の当日(葬儀の前日まで)に届けるのがよく、遅くとも、葬儀の始まる前までに届けるようにしなければなりません。ただし、花環を数多く飾る葬儀は、しだいに少なくなっていますので、花環を贈るときは、必ず遺族の意向をきくようにしましょう。
 造花の花環には、買切りと貸出しがありますが、後始末のことを考えれば、貸花環のほうが便利です。生花の花環は早めに注文します。よく飾られる花環は直径一・五メートルの花環です。
 花環や花かごには、贈り主の名札をつける習わしがあります。他人の不幸をよそに売名を目的としたような大きな名札は不快なものですから、名前はあまり目だたぬようにするほうが、ゆかしくてよいといえましょう。花環の場合、葬儀社では、一定の大きさの木札を用意しているので、自分の木札だけ小さくというわけにはいかないでしょうが、そのような場合、木札の上部に「敬弔」と大きく書いてもらい、その下に、小さく贈り主の名を書いてもらうのも一つの方法といえましょう。
 故人が生前好きだった生花やくだものなどを霊前にお供えすることは、贈る人の優しさがしのばれて、とてもよいものです。ただ生花を贈る場合には、強烈な色彩のものは避けます。特に故人が好きだった花なら原色のものでもかまいませんが、遺族のことも考えて慎重に決めることが必要です。
 生花は、花器なしでも飾れるようにして、リボンをかけます。花屋さんでその旨伝えれば万事心得て作ってくれます。
 その他の供物も、通夜か、葬儀の始まる前までに届けます。これらの供物には、黒白のリボン、または黒白の水引をかけ、包み祇の上部に「御仏前」「御霊前」などと書き、その下部に、贈り主の名を書きます。
 なお、供花や供物をお供えしても、香典は別に包むのが正式です。

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 香典は、お通夜か葬儀・告別式に列席したとき、またはその前後にお悔みに出向いたとき、霊前に供えます。
 香典は、通夜と告別式と両方に出席する人なら通夜に持っていったほうがよいでしょう。香典とは、そもそもは香に代える金銭という意味ですから、受付係に渡す告別式のときより、祭壇に直接置けるお通夜のときのほうが、本来の意味にかなった方法といえます。香典の金額は故人との交際の深さや交際の性質によって違い、その判断は非常にむずかしいところですが、常識的には、最初に思いついた額より少し多めに包めば、まず後悔したりすることはないでしょう。もし、わからない場合は、知人などに相談することもよいでしょう。
 香典は、市販の不祝儀袋か、奉書または美濃紙に包んで黒白の水引をかけます。奉書または美濃紙に包む場合は、まず、半紙で内包みをして、それに金額と自分の氏名を書き、つぎに、奉書または美濃紙を横二つに折り、左から三分の一のところで左へ折って重ね、上下の端をすこしずつ、外側(裏側)へ折ります。これに半紙で内包みをした金を包み、二度とないようにという意味で結びきりにします。
 表書きは薄墨で中央上段に書きます。仏式なら、「御香典」「御仏前」「香華料」「御香料」など。神式なら、「御玉串料」「御神饌料」「御榊料」など。キリスト教なら「御花料」「御弔慰料」などとします。「御霊前」なら宗派に関係なく使えます。下段中央には自分の氏名を書きます。おおぜいからのものは、表に「○○部一同」などの総称、中に内訳を書いた紙を入れます。
 香典包みのうちに金額を書いておくことは常識ですが、中包みがある場合には、それにも金額と氏名を明記しておくのが、遺族に対して親切です。
 遠くに往んでいて、親戚や親しい知人の葬儀や告別式に参列できない場合に、香典を送るのには電報為替か、現金書留、通常為替などで送る方法があります。郵便局では電文づきの電報為替も取扱っていますから、これを利用すると弔電といっしょに香典も送れるわけです。
 現金書留や為替で香典を送る場合は、かならず中包みをして、「御仏前」「御霊前」などと表書をしてから、弔問の手紙といっしょに封筒に入れるようにします。現金や為替をはだかのまま、便箋のあいだにはさむのは、失礼です。

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