神前結婚式の挙げ方

 神前結婚式とは、神様の前で新郎新婦が夫婦の誓いを交す喜びと希望にみちた儀式です。
 新しく一家を構えることを祖先の神々に報告するこの儀式は、日本人の生活様式に抵抗なく浸透し、挙式の七十パーセント位が、神前結婚式を挙げているということです。
 司式は神職が行います。本来式場は、家の祖先を祭った氏神様や、自分たちが日ごろ信仰している神様の神前としますが、現在では、神社に併設された結婚式場はもちろん、結婚式専門の公共施設、ホテルや会館など披露宴を扱う会場のほとんどが神式の式場を持っており、このような場所で結婚式を挙げることができます。

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 式の次第は、それぞれの神社や式場によって多少の違いがありますが、だいたい、次の順序で行われます。
 (1) 参進
 祭務所より、係員の先導でまず先頭に新郎と媒酌人、その後ろに新婦と媒酌人夫人、新郎両親、新婦両親が続きさらにそのあとには、兄弟姉妹と伯父、伯母などの親戚の順に式場へ進みます。
 (2) 参入
 式場である社殿に入り、神前に向かって右側に新郎方、左側に新婦方が並び一同着席します。この場合の着席順は、参進してきた順、すなわち新郎新婦と血のつながりの濃い者から順に神前に近い上座に着きます。
 (3) 修祓の儀
 斎主(神主)が入場し、典儀(儀式をつかさどる人)が開始を告げますといよいよ式が始まります。参列者を清めるため、寄生がお祓いをしますので、一同起立をし、頭を垂れてお祓いを受けます。終りましたら一同着席します。
 つぎに伶人の奏楽裡に祭員が神饌を八足に供えます。
 (4) 祝詞奏上
 斎主は神前に進み、新しい夫婦の門出を祝うため、二人が結ばれたことを神に感謝し、末長く幸せに暮すようにとの意味をこめた祝詞を奏上しますので、一同起立したまま受けます。
 (5) 三献の儀
 祝詞奏上が終りますと、いわゆる三三九度の杯が交わされます。
 一人の巫女が金箔長柄の銚子をもち、もう一人の巫女が提子を持ち、神職が三つ組の杯今のせた三方をささげて、新郎・新婦二人の前の案(玉串を置く机)の上におきます。
 新郎新婦は起立してお神酒をいただき、一つの杯は三口にして飲みます。
 順序としては、まず、新郎が小の杯を飲み新婦へ、中の杯は新婦が飲み新郎へ、大の杯は新郎が飲み新婦がこれを受けて飲かのが一般的です。
 お酒に弱い場合は、しいて飲まなくともよいのですが、杯には必ず口をつけます。
 (6) 指輪交換
 指輪交換は、巫女が三方に指輪をのせて持ってきますから、新郎が新婦の左手薬指に贈り、次に新婦が新郎に同様に贈ります。
 (7) 誓詞奏上
 新郎と新婦は、並んで玉串案の前に進み、新郎が誓詞を両手で持って読み上げます。この場合、新婦は、目で一緒に読むようにします。新郎が年月目と姓名を読み上げたら、続いて新婦は自分の名をつけ加えます。
 (8) 玉串奉天
 玉串は、榊の枝に白い垂をつけたもので、神様に捧げるものです。誓詞奏上が終ると、新郎新婦は玉串を持ち、揃って神前に進み、一礼したのち神前に捧げてから二礼、二拍手、一礼を行いますが、この時は参列者も起立して拝礼します。
 新郎新婦に続いて両家の参列者または代表が、媒酌人夫妻は最後に玉串を奉莫します。
 (9) 神楽舞
 玉串奉天が終りますと、式場によって異なりますが、神楽舞が神前で行われます。
 (10) 親族杯の儀
 参列者一同起立し、新郎・新婦側それぞれの上座のほうから順に巫女がお神酒を酌し、媒酌人夫妻に注ぎ納めます。
 巫女の合図で一斉に杯をあけます。これは親族固めの杯ともいいます。
 (11) 斎主祝辞
 斎主からお祝いの挨拶がのべられます。
 (12) 新郎新婦退場
 斎場主の挨拶が終りましたら、先導に従って新郎・新婦、媒酌人が退場し、続いて参列者一同揃って起立し、神前に一礼して退場いたします。
 このようにして、神前結婚式を終え、控室に移ります。
 挙式時刻になると、両家それぞれ式場へ入ります。
 式場への入場は、式場の係員の案内で、先頭に新郎その右に媒酌人、つぎに新婦とその右に媒酌人夫人、つづいて新郎の両親、新婦の両親、新郎側の親族、新婦側の親族という順序で入場します。
 また、結婚式に参列する親族は兄弟姉妹、伯父母、叔父母のように、主だった人が参列するのが普通です。
 式場に入ってからの着席は、両家の親族が、神殿をはさんで、向かいあって着席するところと、神殿の方に向かって着席するところとがありますが、いずれの場合も、神殿に向かって、右側が新郎方で、左側か新婦方となります。ただし、婿取の場合は、嫁方の親族が向かって右側になります。
 この場合の席次は、血縁の濃い者の順に上座から着くことになっています。
 儀式は、はじめに祭具と雅楽を奏する伶人が、手水をとって昇殿着席します。伶人によって雅楽が奏されますと、斎主が昇殿して着席します。
 ついで斎主が立って神前に進み、一同起立をし、軽くおじぎします。斎主は幣帛(紙や布を切って木ではさんでたらした御幣)をもって、両家の参列者に対しお清めのお祓いをします。一同軽く頭をさげて受けます。
 おはらいとは、災厄を除くために神社などで行う神事またはその御札をいいますが、結婚式で行われるおはらいは、式場である神殿に新郎新婦をはじめ一同が入場し着席したときに、参列者を清めるために行われるものです。
 おはらいの受け方は、一同が着席すると、伶人(雅楽を奏する人)の奏楽理に、斎主以下祭具が参進し、斎主が神座を一杯して、席に着くと、おはらい(修祓の儀)が行われます。
 祭員が弊帛を持って、前に立ったら、参列者一同起立して、頭を垂れ、おはらいを受けます。そして、おはらいが終わったら、一同静かに着席します。
 ただし、畳敷きの神殿などで、座って式が行われるような場合は、起立しないで、祭員が弊帛を持って、前に立ったら、一同、両手をついて、頭を下げます。そして、おはらいを受けます。
 以上は、結婚式場で行われる一般的な順序で、神饌もすでに供えられていることが多いのですが、本来は、神殿にはじめて入られた参列者をお祓いし、清めてから儀式に入ることになりますので、次の式次第が省略されていることがあります。
 斎主一拝 = 伶人の奏楽理にお祓いのあと斎生が神座を一杯します。
 献饌の儀 = 斎主一拝のあと、祭具が神饌をお供えします。次に祝詞奉上が行われます。
 祝詞は、神を祭り神に奏上してそのご守護を祈り人生を祝福することばです。
 おはらいが終わると、伶人の奏楽裡に祭具が神饌を供え、ついで畜生が神前に進んで、祝詞を奏上しますので、全員起立したまま謹んで拝聴します。
 三三九度の杯は「三献の儀」「結杯の儀」「女夫杯」などともいわれ、本来は、少年酌人が新縁側に、少女酌人が新郎側について、酌をします。神前結婚式の場合は二人の巫女によってとり行われます。
 祝詞奏上が終わりますと三三九度の杯が交わされます。
 最初に、祭具が神前に進んで、お神酒を下げ、銚子に移しますと、巫女が二人、三方にのせた三つ重ねの杯と長柄の銚子を別々にもって、まず、新郎の前に進みます。
 巫女が一の杯を新郎に進めますので、新郎は左手に一の杯をとって右手を添え、巫女が三回に分けて注いだお神酒を、三日に分けて飲むわけですが、一、二口は、口だけつけ、三口目に飲みほします。ただし、飲めない方は、まねだけでもかまいません。
 飲みほしたら、巫女に返します。
 次に、巫女はこれを新婦の前に持って行きますから、新婦も、新郎と同じように杯を受け、三ロに分けて飲みはして巫女に返します。
 その杯はふたたび新郎の前に運ばれ前と同じように新郎が受けて巫女に返します。
 巫女は、これを三方の左側に置きますが、これで一の杯を納めたことになります。
 次に、二の杯は新婦が先に受けて飲みほし、巫女に返します。巫女は、それを新郎の前にはこびます。新郎がその二の杯を受けてほし、巫女に返すと、二の杯はふたたび新婦の前に運ばれ新婦がこれを受け、巫女はそれを納めて、三の杯を新郎に進めます。新郎が三の杯を受けてほし、巫女に返すと、巫女が新婦の前にはこび、新婦が三の杯をうけてほし、ふたたび新郎が受けてほすとこの杯を巫女が、三方に納めて三献の儀が終わります。
 また、三献の儀は、式場により、次のように行われることもあります。
 一人の巫女が金箔長柄の銚子をもち、もう一人の巫女が提子をもち、神職が三つ組みの杯をのせた三方をささげて、新郎・新婦二人の前の案上にのせます。次に神職がいちばん上の小さい杯をとって新郎に渡し、二人の巫女がお神酒を三度につぎます。新郎はこれを両手で受けて飲みはしますと、神職がこれを受けて新婦に渡します。
 このように杯の受け渡しは神職により、酌は二人の巫女によってとり行われます。
 三三九度の儀には、新婦から始める場合もありますが、この場合は、前に述べた順の逆になります。
 なお、新婦が洋装の場合には、ブーケと手袋を持っていますので、事前に式場の世話役にあずかってもらうか、三三九度の前に、媒酌人夫人にあずけるとよいでしょう。
 神前の案(玉串を置く机)は神聖な台ですから、絶対に物を置いてはいけませんので、この点注意しなければなりません。
 三献の儀(三々九度の杯)が終わると、新郎新婦の誓詞奏上です。なお、指輪交換がある場合には、三献の儀、指輪交換、誓詞奏上の順となります。
 誓詞奏上とは、新郎新婦が神前へ進み出て新郎が誓いのことばを読みあげることをいいます。本文は、新郎がつつしんで朗読します。新婦は、新郎が読んでいるときには、目で一緒に読むようにし、新郎が年月目、姓名を読みあげたら、最後に自分の名前をつけ加えます。
 誓詞を新郎新婦が、読まない式場もあります。
 式場によっては、媒酌人が新郎新婦にかわって神前に進み、誓詞を読み上げるところもありますし、媒酌人夫妻が神前に進み、媒酌人が読み上げるところもありますが、このような代読のときは、終りに「両人に代わり媒酌人○○○○謹しみて申す。」とつけ加えます。
 また、斎生か代読する式場もあります。
 新郎新婦は、媒酌人が誓詞を読み上げるとき、媒酌人に従って所定の座に進み平伏しています。参列者一同も同様にします。
 誓詞は、式場や神社などに印刷された文面が用意されていますので、その文面に日付と新郎新婦の姓名を書き入れて朗読すればよいようになっています。
 しかし、既成の誓詞では物足りない、二人で作った誓詞を読みたいと思う方がありましたら、式場や神社の了解を得て、自作の誓詞を読み上げることをお勧めします。一層感銘深い結婚式となるでしょう。

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