嫁入り道具の選び方

 最近、嫁入り道具の一般的な傾向としては、和箪司、洋服箪司、鏡台、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、寝具などですが、これらをそろえる場合は、住居が決まってから、その住居のスペースにあわせて、まずは、必要品だけをそろえるようにします。狭い部屋に、多くの荷物を入れたのでは、自分たちの落ち着ける場所がなくなってしまいます。
 新郎が、すでに独立して、アパートやマンションなりに、一戸を構えている場合は、家具や電気製品、寝具なども、ある程度はそろっているでしょうから、何もかも新品で持っていかなくても、何か足りないか、新品に買い替えたほうがよいものがあるかどうかなどを話し合ったうえで、どうしても必要なものを買いそろえるようにします。
 また、結婚したのも、新郎の親などと同居する場合も同様で、持ってゆきたいもののリストをあらかじめつくり、新郎側の意向も聞いて、取捨するようにします。
 新居を新築または購入して、親から独立して新家庭を営む場合は、家具調度品類はすべて新調することになりますが、この場合も、ふたりで、どれだけのものが必要かを話しあって決めます。また、台所用品を新郎側でそろえるようなときにも、使うのは新婦なのですから、新婦の意見を聞くなり、新婦に任せるなりして無駄がないようにそろえます。

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 ふたりの生活空間のスペースの大部分を占めるのが家具です。よほど慎重に選ばなければ、家具に囲まれて暮らすというようなことにもなりかねません。
 家具は、簡単に買い換えられるものではありませんから、最少限必要なものからそろえます。そして、家具の目的は、収納するということですが、物をしまい込んでしまうというのではなく、整理して取り出しやすいというのが、収納の第一条件ですので、その条件に見合った家具を選ぶようにすることが必要です。
 家庭電気製品を選ぶときは、毎日の生活を考えて、必要性の高いもの、あると便利で暮らしを楽しくしてくれるものとに分け、まずは、必要性の高いものからそろえるようにします。
 必要性の高いといえるものは、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、炊飯器、アイロンなどですが、冷蔵車や洗濯機、炊飯器は、いずれも子供が生まれ家族が増えることを考えて、少し大きめのものを選ぶようにします。掃除機は、案外しまい場所に困るむのですから、付属品やホースがすっぽり収納できる型で、どこかの片隅に置いておいても邪魔にならないようなものがよいでしょう。
 食器やキッチン用品は、それほど値のはるものではないので、あれもこれもと買いそろえがちですが、いただきものがあることも計算に入れて、初めは、最少限にし、品数を少なくした分で少し上等なものを選んで買った方がよいでしょう。
 なべやフライパンは、長く使うむのですから、最初にしっかりとしたものを買います。アルミ製の大中小のなべとずん胴なべ、鉄製のフライパンと中華なべ、これだけあれば大抵の料理にまにあいます。
 寝具は、最低、一組あれば間にあいますが、どちらか一方が病気になった場合などを考えると、やはり二組は必要ということになります。そして、客用として、一組か二組は用意しておいたほうがよく、あとは、シーツ、枕、枕カバー、毛布、夏掛けふとんなども必要です。
 ベッドの場合は、ベッドシーツ、ベッド用毛布、ベッド用洋掛けふとんが必要ですが、ベッドにする場合は、置くスペースがあるかどうかを考え、少なくとも六畳以上でなくては、窮屈でよくありません。
 なお、マットレスの場合は、敷ぶとん一枚、掛けふとん二枚、それに毛布、シーツなどが必要です。
 昔は、荷物送りも婚姻の一つの儀式とされていたため、嫁入り道具は、結婚式当目の早朝に送り出すのが慣例でしたが、今では、そうした慣習が残っているのは、地方の旧家ぐらいなものです。
 現在は、荷物送りは結婚式とは切り離して考えられているので、荷物と一緒に荷物目録の受け渡しをする程度で、挙式の一週間ぐらい前に納めるのが適当でしょう。
 昔ながらの方法では、新婦方に荷宰領(新縁側の親戚など)が、略式礼服で訪れ、同じく略式礼服の新婦と両親から、お祝いのもてなしを受けてから、荷物と荷物目録、それにかぎ袋(たんすなどのかぎを入れた袋)を預かり、荷役の人だちとともに、荷物を新郎方へ届けます。このとき、新婦方では、荷役の人たちへ、酒肴料として祝儀を贈ります。
 新郎方では、同じように、略大礼服の仲人と新郎、それに両親が、一行を玄関に出迎えます。ここで、荷宰領は仲人に、目録とかぎ袋を渡し、仲人は、目録を引き合わせながら、荷役の人たちに荷物を運ばせます。そして、運び終ったら、新郎へ荷物とかぎ袋を渡し、新郎方は受容を荷宰領に渡します。
 ここで、新郎方では、仲人と荷宰領を座敷に通し、茶菓をすすめ、次に、冷酒をすすめたあと、本膳を出します。荷役の人たちにも、膳手先で酒肴をふるまい、荷宰領には引出物、荷役の人たちには祝儀の金包みを出しますが、略式には、供応を茶菓だけとし、荷宰領と荷役の人たちへ酒肴料を包むこともあります。荷宰領荷宰領 ひととおりのもてなしを受けると、荷宰領と仲人はそろって新婦方に帰り、受書を渡し、荷物送りを済ませたことを報告します。新婦方では、活着をもてなすか、酒肴料として祝儀を出すかしますが、酒肴料を出す場合は、新郎方と同額とします。
 現在では、たんすなどの大きな家具類は、買った店やデパートから届けてもらい、手持ちの品だけを運送屋に頼み、本人たちが立ち合って、荷物を納めることが多いようです。
 ことに、結婚と同時に親と別居して、新居を構える場合は、双方ともに荷物送りをするわけですから、荷宰領を頼んだり、仲人の手をわずらわすまでもなく、運送屋に運んでもらって、本人たちが立ち合って、荷物を納める方が合理的でしょう。
 ただ、この際も、荷物目録だけは型どおり、先方に渡すのがよいでしょう。
 なお、結婚の荷物送りは、おめでたいことですから、運んでもらった人には、双方で祝儀を出します。
 従来のしきたりによる場合は、いうまでもなく、そうでないときでも、新婦方では、荷物を送り込むと同時にかぎ袋を新郎方に渡しますが、これは、結婚式がすむまでは、あくまでも預り物ですから、むやみに中を調べたり、入れ替えたりしてはいけません。
 また、家具店やデパートなどから、直接、荷物が送られてきて、新婦方の立合人がいないときは、破損のないことだけを確め、その時以外は、手を触れないでおくのが、やはりエチケットでしょう。
 相手方家族への土産品は、荷物送りの時に一緒に先方に送り、緒婚式のあとで、あるいは新婚旅行から帰ってから新婦が、新郎の家族へひとりひとり手渡すのがしきたりです。
 新郎の方も、挙式後、新婦の里帰りのときに、新婦の家族にお返しをします。
 最近では、荷物送りも、忙しい媒酌人の手や使者の手をわずらわせずに親しくしている人とか、叔父さんなどにお願いして、結婚式の一週間前から前々日ごろまでに、荷物に同乗して届けてもらうことが多いようです。
 昔から、嫁入り道具は、夫が自由にできない妻の財産とされて、目録はその証拠ともされてきました。つまり、贈り物ではないので、宛名も送り主の名も、書かないのが正しいのです。
 荷物目録は、結納の目録と同様、奉書紙または美濃紙を二枚重ねにして、筆で書くのが正式ですが、便箋にペン書きしてもかまいません。
 荷物目録の書き方は、初めに「荷物目録」と書き、次の行から「一、総桐和箪笥 壱棹」、「整理箪笥 壱棹」というように品名と個数を書き並べ、終りに「以上」と記します。
 なお、品物の個数は、奇数となるようにしなければなりません。また、品数が多くて、一枚に書ききれないときは、何枚でも書いてかまいません。この場合、右端を紅白の水引でとじるか、美濃紙を必要な枚数だけ、横に二つ折りにします。そして、折水引などで、右横二か所をとして書きます。
 帳簿の型にしたときは、表紙に「荷物目録」と書き、二枚目からは品名と個数を書き並べていきます。
 荷物目録を書き終わったら、同じ紙質の紙でそれを包み、荷物目録と書きますが、帳簿型にしたときは、左から内側へ、五つ折りか七つ折りにして包み、荷物目録と書きます。
 また、便箋にペン書きした場合には、上質の封筒に入れて荷物目録と書きます。
  婿方は、荷物が届いたら、梱包をといて部屋に並べますが、これらは、預かり物ですから勝手にひき出しをあけたりしてはいけません。
 荷物がとどいたら、荷受容を容きます。しかし、地方によっては、荷受書を出さないのが、正式とされているところもあります。届け人として来た場合は、荷受書を出しますが、正式の使者や、媒酌人自身が送ってきた場合には、荷受書を出さないのが礼儀とされています。

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