使者を出す場合の結納品の納め方

 古式にのっとった結納では、男性側、女性側それぞれが仲人以外の人を使者として別々に立て、相互に相手を訪問して、結納をとり交わしますが、これはあまりに煩雑すぎるため、現在ではほとんど行われていません。
 今では、双方で一組みの使者を立て、その使者が両家を往復する形が正式とされています。使者の役は本来男性があたり、本人の近親者とか、仲人にお願いするのがふつうです。

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 現在行われている基本的な結納の式は、次のような順序で進められています。

<男性宅>
 当日仲人は礼服(紋付羽織袴またはモーニング)を着用して男性宅へ出向きます。時刻としては、午前十時頃から午後三時頃までに取りすませるようにするのが適当とされています。
 男性宅では、あらかじめ飾り棚か床の間の前に結納品を飾って準備しておきます。
 仲人が到着したら、本人と両親は玄関まで出迎えて、結納品を飾った部屋の上座に案内し応対します。このとき縁起をかついでお茶は出さず、桜湯か昆布茶とおめでたい干菓子でもてなします。
 仲人、本人、両親が席に着いたら、仲人が「本日はお日柄もよく、誠におめでとうございます。」と、結納の口上を述べます。それに対し、本人または両親が「ありがとうございます。本日はお忙しいところ結納のためひとかたならぬお世話になります。」と、感謝の言葉を返します。
 結納品を仲人の正面に置き、本人または父親が「結納と親族書を○○様へお届けくださいますよう、よろしくお願いいたします。」と依頼します。それに対し、仲人は「かしこまりました。さっそくお届けしてまいります。」と、結納品の品々を確かめ白木台の足をたたみ、丁寧に箱に納め、ふろしきに包んで女性宅へ向かいます。

<女性宅>
 女性宅も男性宅と同様に結納品を飾って、仲人の到着を待ちます。仲人が着いたら両親と本人が玄関まで出迎え、仲人を結納品を飾ってある部屋に案内します。
 仲人、女性欄ともに着座したら、仲人は結納品を箱から出し、白木台を組み立てて、その上に目録に書いてある順に並べ、別の白木台に目録と親族書をのせ、本人の方へ正面を向けて結納品を差し出し「この度は○○様とのご婚約がめでたく調いまして、誠におめでとうございます。本日はお日柄もよろしいので、○○様からお結納をお預かりしてまいりました。なにとぞ幾久しくお納めくださいませ。」と、口上をのべます。
 女性側は本人または父親が「本日はご丁寧にお結納をお贈りくださいまして、ありがとうございました。幾久しくお受けいたします。」と挨拶し、目録をひろげ目録の内容と結納の品をあらためてのち本人の母親が座を立って床の間へ飾り、別室で受書を書きます。
 受書を白木盆にのせ「受書でございます。」と、仲人の前に差し出します。
 つづいて、女性側からの白木台にのせた結納品と親族書を男性側と同じ作法、口上で差し出します。
 仲人も同様に挨拶して、酒、赤飯、鯛など、めでたい酒肴でもてなしを受けた後、結納品を持って、再び男性宅へ向います。

<再び男性宅>
 仲人は再び男性宅へゆき、受書を差し出し「お結納の品と親族書は○○様が幾久しくお納めくださいました。」と報告します。
 男性側は「誠にお世話様でございました。」と挨拶して受書を受け取ります。
 ついで仲人は、女性宅からの結納と目録、親族書を男性側に正面を向けて差し出し、前記女性宅でしたのと同じ作法で口上をのべます。
 男性側も、前記の女性宅と同様の作法、口上で受け取り、受書をしたためて、仲人に渡した後、酒肴でもてなします。

<再び女性宅>
 仲人は再び女性宅へ男性側の受書を持って行き、これを女性に渡して正式な結納はすべてとどこおりなくすんだことになります。

 両家では、このあと当日または後日、日を改めて、親戚や縁故の人々を招き、仲人を客として、結納を披露し内祝いを行います。これを結納開きといいます。
 また、いただいた結納品は、挙式当目までそのまま飾っておくのが習しですが、挙式までの日数が長いときや飾っておく場所がない場合など粗末になってはいけませんので、結納後と挙式前のそれぞれ一週間程度飾るのがよいでしょう。挙式後は、目録と親族書を保存しておきます。
 仲人に供応する祝膳の程度、運転者、お手伝いの人への祝儀、心づけなどは両家でまえもって相談の上、打合せておきます。仲人は両家で同じような祝膳を出されても、そう食べられるものでなく、あとに大事な役目が控えており、一日の間に両家を往復するのには時間のこともありますので、片方が祝膳を出すのなら、片方の家では茶菓程度にして、むしろ、そのご足労に対して心から感謝の意を表すことを忘れないようにしましょう。

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