見合いの進め方

 仲人の紹介によって双方が初対面の挨拶を済ませましたら、一同に着席をすすめ、席が定まったところで、簡単に仲人としての挨拶を致します。この場合の挨拶は、いわば開会の辞にあたるものですので、人によって違いはありますが、あまり形式ばらず、和やかなムードをもったものの方がよく、ときにはユーモラスな挨拶も、早く打ちとけてよいようです。
 それに対して、双方の本人や付添いが、謝意を表しますが、仲人や付添人ばかりがあまり長く世間話をしないように気をつけることが必要です。
 次に、仲人は、双方の職業なり、趣味なり、あるいは教養なりについて、お互いに知りたがっていると思われる点を察して、話題のきっかけをつくるようにします。また、会話がとぎれたら、新しい話題を提供する配慮も必要です。ただし、見合いの席での仲人の役割は、あくまでも司会進行係ですので、当人たちの会話を中心にすすめるという基本を崩すようなことがあってはいけません。もし本人どうしの話しのやりとりが長く続くようであれば、司会は成功です。

スポンサーリンク

 本人同士の雑談がはじまったら、会話のリードは男性がし、女性は聞き上手になどといわれて、聞き役にばかり回ることが多いようですが、話がとぎれたら相手に質問を投げかけるくらいの方が魅力的です。前もって相手の履歴書や身上書には、よく目を通し、趣味や特技なども覚えておくことが必要です。そして、限られた時間内で相手を知り、自分を知ってもらうためにも、恥ずかしがらずにまっすぐ相手を見ながら、はきはきと受け答えすることが大切です。
 初めて合った段階では、相手かまだよくわかりませんので話題の選び方には特に注意が必要です。こういう席で、宗教や政治の話題などを持ち出すことは、思わぬことで相手を傷つけてしまう場合がありますので、避けた方がよいでしょう。また、家柄などの自慢話や戸籍調べ的な話も、控えた方が無難でしょう。
 ふたりの間の紹介者である仲人が司会役で一生懸命に、座の取り持ちをしているのに、付添人が黙っていたのではなんのための付添いかわかりません。当事者の気分がほぐれるまで、相手の付添人や紹介者と話したり、相手にかわって質問したりします。若いふたりの間にあって、控え目ながら、付添っている人が見合い相手の人柄にじっくり触れ合えるようにと心を配ります。質問されて、答えに戸惑っていたら、それとなくかばったり、とりなしてやることも必要でしょう。とはいっても、肝心の当事者をさしおいて、付添人どうしの話に夢中になったり、相手を質問責めにしたり逆に聞かれもしないのに、本人の代わりに長々と答えるといったことは厳に慎まねばなりません。見合いの主役はあくまでも当人たちで、付添人の役割は、年若い当人たちで目の届かないところまで相手を観察し、緊張で気づまりになりがちなその場のムードを和らげることにあります。付添人は脇役と心得、出すぎた言動は特に慎しまなければなりません。
 見合いの時間は、普通、食事時間を除いて一時間ぐらいが適当とされています。全体で二時間ぐらいが限度でしょう。だいたいのことを前もって両家の人たちに知らせておきましょう。
 ふたりの会話が弾んでいたら、仲人も付添人も聞き役に回り、ころあいを見計らって席をはずすとか、ふたりに外出や散歩をすすめるなどして、ふたりだけで話し合う時間をつくってあげます。話題が尽きないようなときでも、仲人や付添人が同席するのは一時間が限度です。あまり長くなりすぎると当人どうしにとって負担になりますから、できれば三十分ほどで退席するようにするとよいでしょう。
 ふたりにどこかへ行くように指示する場合は、仲人は事前に、双方の親の了解をとっておく配慮が必要です。
 見合いの席をはずして、付添人から離れ、ふたりだけで別行動をとる場合、もし、喫茶店に入ってお茶を飲んだりしたら、お茶代は男性がもちます。また、こういう場合は、暗くならないうちに別れるのがエチケットですが、意気投合したのなら、ふたりだけで次のデートの約束をしてもかまいません。ただし、その場合には、当日のお礼を兼ねてその旨仲人に必ず報告しておきます。
 見合いの場所にはいるときは、付添人のあとからはいります。席には仲人の指図にしたがって着きますが、上席をすすめられたときは一度辞退して再びすすめられたらあらためて着くようにします。和室では座ぶとんの手前で挨拶をしてから座りますが、洋室の場合は椅子に掛ける前に挨拶をし、椅子は後ろに引いて、左側から腰掛けます。
 見合いの席について仲人の挨拶がすみましたら、いわゆる世間話で双方なごやかに歓談するのがよいでしょう。結婚を前提としているのですから直接結婚問題にはあまり触れない方が無難です。
 仲人が話のきっかけを作ってくれましたら男性側からは、女性の方にサークル活動とか趣味、嗜好、仕事や旅行など身辺の話を引き出します。女性側からも話題がとぎれないように逆に質問しながら上手に聞き出すようにします。
 このような席で、前にも出ましたが宗教や政治の話題などを持ち出すのはタブーです。また、自慢話や戸籍調べ的な話も、相手の気分を害する虞がありますのでなるべく避けるようにしましょう。男性に対して酒量や毎日の帰宅時間、ギャンブルの好き嫌いなどの問いかけも、不愉快な感じを与えますから注意をしてください。
 見合いの席では、男性は行動的な男らしさや、気さくなあたたかみのある態度などがよい印象を与えます。また、女性も、恥ずかしがってもじもじせずに、姿勢をよくして、きちんと相手を見ながら、はきはきと明るく受け答えすることが大切です。
 話し上手は聞き上手とよくいわれますが、見合いの席でも、お互いに話し上手より聞き上手になることが大切です。羞恥心の強い人や、無口な人にいきなり話し上手になれと望むのは無理でしょうが、努力すれば、聞き上手にはなれるはずです。
 聞き上手になるコツは、相手に上手に質問して話をつぎつぎに引き出すようにすることです。相手の話に、ときどき、あいづちを打ったり「それでどうなさいました。」などと逆に質問するようにして熱心に聞き入るのです。そうすれば、相手は、よい気分になって、話を次から次へ発展させ、こちらがあまりしゃべらなくても、一時間や二時間は、またたくまにすぎてしまいます。反対にしゃべりすぎは、人の話の腰を折ったり、言わずとよいことまで脱線してきらわれます。ほどほどにいたしましょう。

冠婚葬祭
結婚と法律の関係/ 結婚するには制約が必要か/ 再婚するには一定の期間が必要/ 結婚は見合いか恋愛か/ 国際結婚をするには/ 夫婦でも財産を別々に分けられるか/ 縁談は誰にどのようにして頼むか/ 縁談を依頼された時は/ 見合い写真で注意することは/ 仲人の役割/ 見合いの日時、場所の決め方/ 見合い費用の負担/ 見合いの進め方/ 交際の求め方と断り方/ 交際後に求婚するときと結婚を断るとき/ 結納とは/ 結納の品にはどのようなものがあるか/ 結納金はどの程度か/ 使者を出す場合の結納品の納め方/ 仲人宅の場合の結納品の納め方/ 結納の日の服装と結納後の供応/ 婚約披露パーティーの仕方/ 婚約期間中のマナー/ 結婚式の経費のたて方と式場の選び方/ 披露宴の招待客の範囲と世話役の依頼/ 結婚祝いの選び方/ 嫁入り道具の選び方/ 挙式前の心得/ 結婚式での装いは/ 神前結婚式の挙げ方/ 仏前結婚式の挙げ方/ 教会結婚式の挙げ方/ 自宅結婚式の挙げ方/ 人前結婚式の挙げ方/ 結婚式後と披露宴/ 披露宴の受付でのマナー/ 結婚披露宴の招待客の装い/ 出席できなくなったときと祝儀の贈り方/ 結婚披露宴の演出と司会者の心得/ 結婚の法律上の手続きは/ 結婚後の挨拶回り/

        copyrght(c).冠婚葬祭専科.all rights reserved

スポンサーリンク