結婚するには制約が必要か

 現在では、結婚は両性の合意のみに基づいて成立するというのが憲法によって認められた原則でありますが、この原則にも例外となる規定があります。すなわち、民法の定めるところによりますと、一定の条件に該当する者どうしの結婚を禁止したり、または、特別の条件をつけたうえで認めるといった方法がとられています。
 このような民法の規定は、単に法律上の問題だけでなく、優生学的な面や、倫理的な観点などからも好ましくないという配慮がされたものであります。

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 まず、わが国の民法では、一定の範囲内にある近親者どうしの結婚を禁じています。すなわち、その第七百三十四条では近親婚に関する規定として、直系血族または三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。ただし、養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない。と定め、本人の直系の血族である親と子、祖父母、孫とともに、三親等内の傍系血族である兄、妹、姉、弟、おじ、姪、おば、甥などの間の結婚が禁じられています。
 ただし、養子と養方の傍系血族である養父母の実子や、甥、姪などとの結婚は制限外とされていますから、養親の実娘と養子とは法律的には兄弟となり、三親等の傍系血族の関係にあっても結婚が許されています。
 また、直系姻族間の結婚の禁止については民法の第七百三十五条で、直系姻族の間では、婚姻をすることができない。第七百二十八条の規定によって姻族関係が終了した後も同様である。と規定し、直系姻族である嫁としゅうとの関係、つまり自分の配偶者の直系血族(夫に対する妻の母、妻に対する夫の父など)や自分の直系血族の配偶者(自分に対する子や孫の夫または妻、自分の父母や祖父母の配偶者で自分の血族でない父や祖父の後妻、母や祖母の後夫)との結婚も一般社会における倫理的な観点から一種の近親婚とみられて禁じられています。しかも、この禁止に関する規定は、離婚したり、配偶者が死亡したため姻族関係の終了に関する届出がなされたのちにおいても同じです。
 ところで、養子が養家と離縁をすると養方との親族関係は一切なくなってしまうわけですが、民法第七百三十六条に、養子、その配偶者、直系卑属又はその配偶者と養親又はその直系尊属との間では、離縁によって親族関係が終了した後でも、婚姻をすることができない。と定めてあり、養父母や養父母の親と、養子や養子の配偶者などとの間では、たとえ離縁によって親族関係がなくなったのちにおいても結婚することはできません。養子が離縁すると、養方との親族関係は一切なくなるわけですが、近親婚に関しては、離婚後も許されないとされていますから、仮に自分の夫が生存中に養父と離縁していたとしても、養父であった者と嫁であった者との結婚は倫理上からみて許されないことになります。
 結婚できる年齢については、わが国の民法では、男は満十八歳に、女は満十六歳にならなければ、婚姻をすることができない。と定め、婚姻年齢に達しない者の結婚を禁じています。
 これは、現実の社会生活が複雑になるにつれて、結婚生活を続けていくうえで必要な社会的適応能力に、より高度なものが要求されると同時に、義務教育の年齢なども引上げられ少なくとも中学校を卒業する十六歳が妥当な年齢と考えられたものといえましょう。
 さらに婚姻年齢に達しても、未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。と定められており、男女とも満二十歳にならなければ、当人たちの合意のみでは結婚することはできないことになっています。
 これは、未成年者では肉体的にたとえ成人していても、結婚して子供を育て、社会的に生活していくには、まだ、一人前とは認められないための、やむを得ない法律的な制約だといえましょう。この父母の同意については、民法では次のように規定し、父母のうちどちらか一方の同意があればよいとしています。
 第七百三十七条 未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。
 父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意だけで足りる。父母の一方が知れないとき、死亡したとき、又はその意思を表示することができないときも、同様である。

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