結婚と法律の関係

 結婚と法律の関係について、理解をしていただくためには、一応日本国憲法第二十四条について説明しなければなりません。
 今日の日本国憲法は、昭和二十一年十一月三日に公布され、翌年の五月三日から施行されました。その第二十四条には、婚姻について次のようにしるされています。

 第二十四条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

 普通男女が夫婦となることを結婚といいますが、法律的には婚姻といいます。
 この条文の中でも「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し・・・」と最初に明記されています。これは、結婚の当事者である男女がお互いの合意によって成立するということで、第三者がやたらに干渉したり、強制したりしてはならないという意味が含まれています。
 旧憲法では結婚は、主として家中心に運ばれるものという考え方がされていましたが、新憲法では個人中心に当人たちの自由な意思によって結ばれるものとされるようになりました。これは家庭生活における個人の尊厳と両性の平等を規定した重要な条文であります。

スポンサーリンク

 それでは、これからの結婚には、親たちの同意を得る必要もなく、当事者が婚姻年齢に達しており、お互いが好きであれば、勝手に結婚できるかといえば、けっしてそうではありません。
 民法によれば男女が結婚するためには、次のような条件が必要とされています。
 (1) 婚姻年齢に達していること
 結婚するためには、男子は満十八歳に、女子は満十六歳に達していなければ婚姻をすることができません(民法七三一条)。
 (2) 父母の同意があること
 二十歳以上の男女ならば、当人たちの自由意思で結婚できますが、末成年者には父母の同意が必要です。しかし、父母の一方が同意をしないときは、他の一方の親の同意だけで足ります(民法七三七条)。
 子供の結婚は、親にとっても人生の重大事です。その生涯の伴侶たるべき人を見つけた場合、なにをおいてもまず双方の親たちに報告し、同意を求めるのが人情というものでしょう。我が子の幸せな人生を願い、誰よりも喜び、祝福してくれるのは親たちの筈です。
 (3) 近親婚でないこと
 直系血族(たとえば、親と子、祖父と孫のような縦の血のつながり)または三親等内の傍系血族(たとえば、きょうだい、叔父と姪などの関係)では結婚することはできません(民法七三四条)。
 (4) 重婚でないこと
 法律的(戸籍上)にひとりの人と結婚している者が、別の相手と二重に結婚してはならないことになっていて、これに違反すると罰せられます(民法七三二条)。
 女子の再婚には一定期間を経過すること
 女子が再婚するためには、前婚の解消または取り消しの日から六か月を経過しなければなりません(民法七三三条)。
 どんなに盛大な結婚式を挙げ、どんなに豪華な披露宴をしても、婚姻届をすませないうちは、法律上は夫婦としても認められません。結婚は、戸籍法の定めにより、市区町村役場に婚姻届を出すことによって、夫婦に新しい戸籍が作られ、初めて法律上の婚姻の効力が生じます(民法七三九条)。
 このように法律の定める条件に適合した婚姻をして初めて法律上も事実上も正式な結婚といえます。未成年者の場合には父母の同意あるいは父母のどちらかの同意がなければ、その結婚は法律上は認められないことになります。
 正式な婚姻の届出がなされていない夫婦あるいは法律上の要件を欠くために婚姻届が受理されない場合の夫婦を内縁関係の夫婦と呼び、正式な夫婦と法律上の扱いが区別されます。
 すなわち、妻として法律上保護されるべき場合にも保護が受けられないとか、夫や家族、社会から生活上不利な扱いを受ける場合にも保護されないことがあります。その主なものとして次に掲げるようなものがあります。
 (1) 内縁の妻は夫の財産を相続することができない。妻が夫の財産を相続するためには、夫の死亡の時に法律上有効な婚姻届がなされていなければなりません。
 (2) 内縁関係の夫婦の子は嫡出子と認められない(民法七九〇条・九〇〇条)。正式の夫婦でない男女の間に生まれた子は非嫡出子としての扱いを受け、母一人の子供として母の戸籍に入り、父親とは親子として扱われません。そのため、親の財産の相続やその他の場合にも極めて不利な扱いを受けます。

冠婚葬祭
結婚と法律の関係/ 結婚するには制約が必要か/ 再婚するには一定の期間が必要/ 結婚は見合いか恋愛か/ 国際結婚をするには/ 夫婦でも財産を別々に分けられるか/ 縁談は誰にどのようにして頼むか/ 縁談を依頼された時は/ 見合い写真で注意することは/ 仲人の役割/ 見合いの日時、場所の決め方/ 見合い費用の負担/ 見合いの進め方/ 交際の求め方と断り方/ 交際後に求婚するときと結婚を断るとき/ 結納とは/ 結納の品にはどのようなものがあるか/ 結納金はどの程度か/ 使者を出す場合の結納品の納め方/ 仲人宅の場合の結納品の納め方/ 結納の日の服装と結納後の供応/ 婚約披露パーティーの仕方/ 婚約期間中のマナー/ 結婚式の経費のたて方と式場の選び方/ 披露宴の招待客の範囲と世話役の依頼/ 結婚祝いの選び方/ 嫁入り道具の選び方/ 挙式前の心得/ 結婚式での装いは/ 神前結婚式の挙げ方/ 仏前結婚式の挙げ方/ 教会結婚式の挙げ方/ 自宅結婚式の挙げ方/ 人前結婚式の挙げ方/ 結婚式後と披露宴/ 披露宴の受付でのマナー/ 結婚披露宴の招待客の装い/ 出席できなくなったときと祝儀の贈り方/ 結婚披露宴の演出と司会者の心得/ 結婚の法律上の手続きは/ 結婚後の挨拶回り/

        copyrght(c).冠婚葬祭専科.all rights reserved

スポンサーリンク